木津川駅 (京都府)

木津川駅の歴史と背景

木津川駅（きづがわえき）は、かつて京都府の田辺町（現在の京田辺市）に存在した奈良電気鉄道線の臨時駅です。この駅は、近畿日本鉄道（近鉄）京都線の上に設置されており、富野荘駅と新田辺駅の間に位置していました。木津川の南側、新田辺車庫の少し北にあたります。

駅の設立とその目的

京都市は地理的に海から遠く、海水浴を楽しむには長旅が必要でした。そのため、地元の人々は琵琶湖や木津川に設けられた水泳場に足を運ぶことが多くなりました。1929年には、奈良電気鉄道の前身にあたる会社が木津川に広大な水泳場を開設し、同時に仮設のホームを設けてアクセスを容易にしました。この背景から、木津川駅は夏季のみの臨時駅としての性格を持ち、初めは仮設駅とされていましたが、1932年には常設駅として昇格しました。

戦時中の影響と復活

駅は1945年の戦時中にいったん休止されましたが、1946年に再開され、その後は1974年の正式廃止まで営業を続けました。特に1955年度には年間約17万人もの人々がこの水泳場を訪れ、電車でアクセスした記録があり、この時期が最盛を迎えました。しかし、各地にプールなどの競技施設が新設されたため、木津川の水泳場の重要性は次第に薄れていきました。その結果、1965年の閉園をもって木津川駅も休止となり、1974年にその歴史に幕を下ろしました。

駅周辺と現在の状況

現在、木津川駅の跡地付近には河川公園や水田が広がっており、駅の存在を示すものはほとんど残っていません。周辺には私立病院や運動公園（田辺木津川運動公園）、京都田辺記念病院などがあります。また、京都府道801号線では自転車道が整備されており、かつての駅へのアクセス道は変わりつつあります。このように、現在は当時の面影を感じることが難しくなっています。

歴史的な経過

木津川駅の歴史は次のように年表でまとめられます。

• - 1929年（昭和4年）7月10日：水泳場開設に伴い開業。
• - 1932年（昭和7年）11月23日：常設駅に昇格。
• - 1945年（昭和20年）5月20日：休止される。
• - 1946年（昭和21年）10月1日：駅が廃止。
• - 1948年（昭和23年）7月1日：臨時駅として再開。
• - 1963年（昭和38年）10月1日：奈良電気鉄道が近鉄に合併。
• - 1965年（昭和40年）8月23日：休止。
• - 1974年（昭和49年）7月20日：廃止。

まとめ

木津川駅は、単なる鉄道駅以上の意味を持っていた場所でした。多くの人々が夏の思い出を作るために訪れた水泳場を支える重要な役割を果たし、地元の人々にとって特別な存在でした。今ではその面影は失われつつありますが、駅の歴史は私たちに懐かしい思い出を呼び起こします。

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