木造地区警察署襲撃事件

木造地区警察署襲撃事件は、1952年（昭和27年）2月21日から2月23日にかけて、青森県西津軽郡木造町（現在のつがる市）で発生した事件です。この事件は、在日朝鮮人たちが起こした騒乱事件として知られています。

事件の背景

事件当時、在日朝鮮人の間では「祖国防衛隊」という組織が結成されていました。この組織は、所感派が主導権を握る日本共産党の指示を受け、日本各地で暴動を起こしていました。木造地区警察署襲撃事件も、こうした背景の中で発生しました。

事件の概要

事件の発端は、1952年 2月21日、木造地区警察署が傷害容疑で在日朝鮮人2名を逮捕したことでした。これに対し、数十名の在日朝鮮人が警察署に押しかけ、逮捕された人物の即時釈放を要求しました。彼らは連日警察署に押しかけ、騒ぎを起こしました。

事態は2月23日に入り、さらに悪化しました。約70名の在日朝鮮人が警察署内に侵入しようとし、警備に当たっていた警察官ともみ合いになりました。この際、警察署の玄関のガラス戸が破壊されるなどの被害が発生しました。

さらに同日午後7時頃には、応援のために駆けつけていた弘前地区警察署の署員11名が、国鉄五能線木造駅を警備中に、在日朝鮮人たちに取り囲まれました。警察官たちは警棒を奪われるという事態に陥りました。奪われた警棒はその後、木造駅近くに捨てられているのが発見されました。

事件の影響

木造地区警察署襲撃事件は、当時の社会に大きな衝撃を与えました。事件は、在日朝鮮人と警察との間の緊張関係を浮き彫りにするとともに、日本における民族問題や社会不安を改めて認識させるきっかけとなりました。

参考文献

青森県警察史編纂委員会編『青森県警察史下巻』青森県警察本部、1977年

木造地区警察署襲撃事件