未成年後見人

未成年後見人とは

未成年後見人とは、日本の民法に定められた制度の一つで、18歳未満の児童に対して親権を行う者がいない場合、または親権を行う者が財産管理権を持たない場合に、その未成年者の法定代理人となる者を指します（民法第838条1号）。

未成年後見人の種類

未成年後見人には、大きく分けて以下の2つの種類が存在します。

1. 親権を行う者とほぼ同一の権利義務を有する者
親権を行う者がいない場合に選任されます（例：民法839条1項）。
2. 管理権（財産に関する権限）のみを有する者
親権を行う者がいるものの、その者が管理権を有しない場合に選任されます（例：民法839条）。

未成年後見人の選任

未成年後見人は、原則として1人ですが、2012年4月1日の民法改正により、複数人または法人を選任することも可能になりました。

未成年後見人の選任方法には、以下の2つのケースがあります。

1. 親権者による指定（民法839条）
親権者が遺言などで未成年後見人を指定するケースです。
2. 家庭裁判所による選任（民法840条）
未成年被後見人またはその親族、その他の利害関係人の請求により、家庭裁判所が選任するケースです。

未成年後見監督人

未成年後見監督人は、未成年後見人の事務を監督する役割を担います。未成年被後見人、その親族、または未成年後見人の請求により、または家庭裁判所の職権によって選任されます（民法849条）。ただし、後見人の配偶者、直系血族、兄弟姉妹は未成年後見監督人になることができません（民法850条）。

未成年後見人と医療同意

未成年後見人は、原則として親権を行う者と同一の権利義務を有するため（民法857条）、未成年者の医療に関する同意権を持つと考えられます。しかし、親権者に身上監護権が残る場合や、複数の未成年後見人がいる場合など、状況によっては管理権のみを有する後見人や、権限が限定された後見人も想定されるため、全ての未成年後見人が医療同意権を持つとは限りません。

その他の関連事項

後見
親権者/親権
ネグレクト/児童虐待/児童相談所
孤児院/児童養護施設/里親
成年後見人
行為能力

外部リンク

* 医療ネグレクトの定義（PDF） - 法務省

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