末元善三郎

末元善三郎について

末元善三郎（すえもと ぜんざぶろう、1920年8月28日 - 1991年12月5日）は、日本を代表する天文学者で、特に太陽物理学の分野での業績が高く評価されています。彼は1967年に日本学士院賞を受賞し、1991年には勲二等瑞宝章を授与されるなど、その研究活動が広く認められました。

略歴

末元善三郎は兵庫県神戸市に生まれ、出生地は富山県です。彼は旧制神戸一中および第一高等学校を卒業した後、東京帝国大学（現在の東京大学）の理学部天文学科で学びました。大学では萩原雄祐教授から天体物理学を学び、この分野に対する強い関心を抱かせました。

1943年に同大学の天文学科を卒業した後、東京帝国大学附属東京天文台で助手として職を得ました。その後、1951年には東京大学の助教授に就任し、さらなる研究活動を展開するために12月にイギリスへ渡り、ケンブリッジ大学天文台で太陽の彩層に関する研究を行いました。

帰国後の1953年からは、東京天文台で太陽塔望遠鏡による太陽大気の研究を続け、1955年には皆既日食の観測のためにセイロン島（現在のスリランカ）を訪れました。また、1958年にはスワロフ島でも皆既日食の観測を行いました。

1961年には東京大学附属東京天文台の教授に就任し、1965年には大学の理学部で教授としての職を移りました。1967年には日本学士院賞を受賞し、1977年には東京天文台の長として管理・運営に尽力しました。1981年に定年退官し、1988年には国立天文台の評議員に任命され、同天文台の管理においてもアドバイスを行いました。

業績

末元善三郎は太陽塔望遠鏡の整備を行い、同望遠鏡を用いて太陽フレアの分光観測に取り組みました。彼は太陽フレアの厚みが非常に薄いことを確認しており、この研究成果により理学博士の学位が授与されました。

長年の研究活動を通じて、彼は文部省測地学審議会や学術審議会専門委員、大学設置審議会専門委員、日本学術会議の天文学研究連絡委員会の幹事など、さまざまな重要な職務を歴任し、日本の天文学界に多大なる貢献をしました。

彼の努力の結果、天文学の発展に寄与しましたが、1991年の急死により71歳という若さでその生涯を終えました。末元善三郎の業績は今なお天文学の分野で語り継がれています。

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