本因坊秀伯

本因坊秀伯

本因坊秀伯（ほんいんぼう しゅうはく、1716年 - 1741年）は、江戸時代の囲碁棋士で、七世本因坊です。六段。本姓は佐藤、法名は日宥。

生涯

陸奥国信夫郡上飯坂村（現在の福島市）の農家に生まれました。1733年、師である本因坊知伯の死去に伴い、急遽、五段だった秀伯が跡目となりました。江戸に戻り、寺社奉行に家督を認められ、七世本因坊となります。同年から御城碁に出仕しました。

当時の本因坊家は、知伯、秀伯と二代続けて六段という状況でした。1737年には、碁打ち優先の慣行を廃止し、将棋と平等の扱いを求める名人伊藤宗看による「碁将棋名順訴訟事件」が起こります。寺社奉行井上正之の支持を得て宗看の要求が通るかに見えましたが、正之の急逝により、後任の大岡忠相によって訴えは棄却されました。

1739年、秀伯は七段昇段を安井春哲仙角、林因長門入、井上春碩因碩に諮りますが、林門入と井上因碩はこれを承知せず、秀伯は井上因碩と争碁を打つことになります。同年に行われた御城碁で争碁の第一局が行われましたが、翌年までに8局を打ち、秀伯が4勝3敗1ジゴとしたところで、秀伯が吐血し倒れてしまいます。翌年、門人の伯元を跡目に定め、26歳で死去しました。

御城碁の戦績

1733年（享保18年）二子5目勝 安井仙角
1734年（享保19年）先番2目勝 井上春碩
1735年（享保20年）白番2目負 安井春哲
1736年（元文元年）向二子6目負 林門利
1737年（元文2年）白番1目負 安井春哲仙角
1738年（元文3年）先番4目勝 井上春碩因碩
1739年（元文4年）白番2目負 井上春碩因碩（争碁第1局）

その他

2008年には、生家である佐藤家の菩提寺常泉寺に墓碑と顕彰碑が建立され、翌年には福島市で第1回本因坊秀伯囲碁まつりが開催されました。

参考文献

安藤如意、渡辺英夫『坐隠談叢』新樹社 1955年

関連項目

* 本妙寺 (豊島区)

もう一度検索