本多忠国

本多忠国

本多忠国は、江戸時代前期に生きた大名であり、本多忠勝の流れを汲む本多家宗家の6代目当主です。彼は大和郡山藩、陸奥福島藩を経て、最終的に播磨姫路藩の初代藩主となりました。

生涯

忠国は、陸奥守山藩主であった松平頼元の次男として誕生しました。母は小笠原忠真の娘であり、水戸藩初代藩主・徳川頼房の孫、そして第2代藩主・徳川光圀の甥という、徳川家と非常に近い血筋を持っていました。その後、大和国郡山藩主であった本多政長の養子となり、政長の死後、家督を相続。同時に、陸奥福島15万石への転封を命じられます。さらにその後、播磨姫路15万石へと再び転封となりました。

藩主としての在任中に忠国は亡くなり、その家督は三男である忠孝が継承しました。

経歴

1666年（寛文6年）：誕生
1673年（延宝元年）：本多政長の養子となる
1679年（延宝7年）：本多家を相続し、陸奥福島へ国替え（6月26日）
1679年（延宝7年）：従五位下中務大輔に叙任
1682年（天和2年）：播磨姫路へ国替え（2月12日）
1683年（天和3年）：従四位下に昇叙
1697年（元禄10年）：侍従に任官
1703年（元禄16年）：大和川付替え工事の幕命が下る
1704年（宝永元年）：死去。享年39歳

系譜

　　　　　┏政朝━政長
　　　　　┃
本多忠政━┫　　　松平頼元
　　　　　┗亀姫　　┣本多忠国
　　　　　　　┣━嘉禰
　　　　　　小笠原忠真


父：松平頼元（実父）、本多政長（養父）
母：小笠原忠真の娘（実母）
正室：池田綱政の娘
* 子女：本多忠孝（三男）。長男、次男は早世

墓所・霊廟

忠国の墓所は、兵庫県姫路市にある圓教寺の本多家廟屋にあります。廟所は宝永元年（1704年）に建立されました。

逸話

赤穂浪士の一人、吉田兼亮の娘婿である伊藤治興が忠国の家臣にいました。元禄16年（1703年）に吉田兼亮の遺児である吉田兼直（幼名：伝内）が連座し、伊豆大島へ遠島となった際、忠国は幕府が許可した持ち込み上限に近い額である金19両米19俵を伝内に贈って支援しました。この行動は、忠国の情の厚さを示すエピソードとして知られています。

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