本多隆朗

本多 隆朗（ほんだ たかお）

本多隆朗氏は、1943年6月7日に生まれ、2018年10月21日にその生涯を終えました。ラジオパーソナリティとして知られる一方で、浄土真宗本願寺派の僧侶として重要な役職を歴任し、さらには毎日放送のテレビプロデューサーとしても活躍した、多彩な経歴を持つ人物です。75歳でこの世を去りました。

氏は1943年、大阪府吹田市にある大光寺で生を受けました。しかし、翌年の12月には、父をレイテ島での戦いで亡くすという悲劇に見舞われました。3歳年上の兄である清岡隆文氏は、後に大光寺の住職となりました。学業においては、1969年に龍谷大学文学部仏教学科を卒業しています。

大学を卒業すると、氏は毎日放送に入社し、テレビ番組の制作部門でキャリアをスタートさせました。ディレクターとしては、朝の顔として親しまれた情報番組「八木治郎ショー・いい朝8時」などを手掛けました。その後、プロデューサーへと昇進し、「すてきな出逢い いい朝8時」や、関西ローカルながら高い人気を誇った情報バラエティ番組「ワイドYOU」といった番組の制作総指揮を執りました。約25年間にわたり放送業界の第一線で活躍した後、1994年に毎日放送を退社しました。

毎日放送を退社した後は、浄土真宗本願寺派における活動に重心を移しました。茨木市にある称名寺の17代目住職を務める傍ら、宗政にも深く関わりました。宗会議員として、大阪府選挙区から4期にわたって選出され、宗派の運営に意見を述べ、その方向性を議論する重要な役割を担いました。また、教育分野への貢献も大きく、相愛大学の理事や武蔵野女子学院の理事長を務めました。加えて、東京首都圏都市開教対策本部長など、多岐にわたる要職を歴任しています。

宗派の中枢における活動としては、2013年1月から総務に就任し、その職務を遂行するため京都市で一人暮らしを始めました。総務の任期を終え、2016年に退任した後、同年12月からは浄土真宗本願寺派の宗務組織を統括する最高責任者である執行長に就任しました。執行長として宗派の運営に尽力しましたが、2018年8月23日に体調を崩し、やむなく大谷光淳門主に対して辞表を提出することとなりました。

また、氏はラジオパーソナリティとしても親しまれました。KBS京都で放送されたラジオ番組「本多隆朗の京のあったか円かじり」では、その温かい語り口で多くのリスナーから支持を集めました。

晩年は病と向き合い、2018年10月21日、前立腺がんにより75歳で遷化しました。

本多隆朗氏は、放送メディアでの創造的な仕事から、浄土真宗本願寺派における住職、宗政への参加、宗務の要職、そして教育分野における貢献まで、実に幅広い領域でその才能とリーダーシップを発揮し、多くの人々に影響を与えた人物と言えます。

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