本庄長房

本庄長房の生涯とその影響

本庄長房（ほんじょう ながふさ）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて存在した武将で、上杉家の重臣として知られています。天正8年（1580年）、彼は上杉家の家臣である本庄繁長の三男として誕生しました。

彼の若年期、文禄2年（1593年）に、彼は上杉家の家老である直江兼続の養子となり、直江与次郎と名乗ります。しかし、翌年に兼続の実子である景明が生まれたため、長房は養子縁組を解消され、実家に戻る運命となりました。この初期の出来事は、彼の後の人生に影響を与える重要な分岐点でありました。

その後、慶長17年（1612年）に、本庄長房は兼続の婿養子であった本多政重が上杉家から加賀の前田利常の下に帰参すると、上杉家の承諾の下、政重に仕えるために加賀へ移ります。この移動により、加賀本多家には旧上杉・直江家臣が多く籍を置くことになり、上杉家の人材不足や禄高減少の懸念が生じます。景明が先に死亡した事実は直江氏の後継者問題に繋がり、長房と政重が加賀へ去ったことが、直江氏の断絶を促す結果となりました。

加賀藩での長房は、鉄砲組頭としての役割を果たし、1800石の禄高を持つ重要な地位を得ました。また、慶長20年（1615年）には大坂の陣において戦功を挙げ、さらに500石の加増を受けました。この戦功は、長房の名声を高め、彼の能力を証明するものでした。

その後、寛永14年（1637年）に直江兼続の正室であったお船の方が死去すると、長房は第2代米沢藩主である上杉定勝の求めに応じ、妻子を伴って上杉家に帰参します。

帰り道の武蔵国品川で落飾し、「如雲」と名乗る彼は、家督を継いでいた弟の重長が城代を務める福島城に身を寄せ、60人扶持の恩恵を受けました。寛永20年（1643年）1月17日、彼は64歳でこの世を去ります。

本庄長房の家族についても触れますと、彼の長女は武田勝信に嫁ぎ、長男の信重は500石で仕官し後に鮎川氏の名跡を継承しました。次男の吉秀もまた300石で仕官しています。長房の家系は、彼自身が果たした戦功や政治的な影響を皆に受け継ぎ、その後の歴史においても重要な役割を果たしました。

こうした長房の歴史は、彼が生きた時代の戦国や江戸時代における勢力地図に大きな影響を与えたことが窺えます。

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