上杉定勝

上杉定勝

上杉定勝（うえすぎ さだかつ）は、江戸時代前期の大名であり、出羽国米沢藩の第2代藩主。山内上杉家18代当主。

生涯

慶長9年（1604年）、初代藩主・上杉景勝の長男として生まれる。母は四辻公遠の娘で、景勝の継室である。生母の死後、直江兼続夫妻が養育にあたった。慶長15年（1610年）、徳川秀忠に御目見し、千徳の名を授かる。

元和9年（1623年）、秀忠に接見し、従四位下に叙し侍従に任官。弾正大弼を兼任。父・景勝が中納言であったことが考慮され、公家成の官職である侍従を与えられた。同年5月、景勝の死去に伴い家督を相続。寛永3年（1626年）、左近衛権少将に転任。寛永元年には鍋島勝茂の娘と婚姻し、寛永11年（1634年）、徳川家光の上洛に従った。

寛永20年（1643年）、会津藩主・加藤明成の除封処理を行う。また、上杉氏の菩提寺である林泉寺と直江氏の菩提寺であった徳昌寺との僧録の地位をめぐる争いの結果、徳昌寺を破却した。正保2年（1645年）に42歳で死去し、嫡男・綱勝が跡を継いだ。

藩政

寛永15年（1638年）に総検地を実施し、貢租制度を整備。奉行、郡代、代官などの藩政、郷村支配体制を整備し、直江支配体制から藩主直属支配体制への移行を推進した。

江戸幕府の指令を受け、キリシタン取締りを強化。寛永5年（1628年）に甘粕信綱を処刑するなど、領内で藩士を含む多数のキリシタンを逮捕・死罪に処し、寛永16年（1639年）に吉利支丹横目を郷村に配置して監視に当たらせた。

米沢藩士に対し「他家の風をまねることなく、万事質素律儀を作法を旨とし、衣服は小袖上下や桐袴などは無用であり、もっぱら文武忠孝に励むこと」という法令を出しており、この法令は後に上杉治憲の初入部の際の「御条目」の添書に使われている。

系譜

父：上杉景勝
母：桂岩院 - 四辻公遠の娘
正室：市姫 - 鍋島勝茂の娘
子女
女子：徳姫 - 前田利治正室
女子：虎姫 - 鍋島光茂正室
男子：徳松
側室：生善院 - 近衛家家司斉藤本盛の娘
男子：上杉綱勝 - 米沢藩主3代藩主
男子：上杉国松
女子：三姫 - 吉良義央正室

脚注

注釈

出典

参考文献

横山昭男『上杉鷹山』吉川弘文館、1968年。
『三百藩藩主人名事典』 第1、新人物往来社、1986年。
大石学 編『近世藩制・藩校大事典』吉川弘文館、2006年。

関連項目

北山原殉教遺跡

外部リンク

『上杉定勝』 - コトバンク

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