本間物産

本間物産株式会社：激動の歴史と終焉

本間物産株式会社は、山形県飽海郡遊佐町に本社を置き、「マルホンカウボーイ」や「マルホンマート」の名称でスーパーマーケットを展開していた小売業者です。その歴史は、戦後の混乱期から始まり、数々の困難と変遷を経て、2025年2月に一部店舗が閉店し、事業譲渡されることとなりました。

創業と成長

終戦後、GHQの農地解放により、酒田本間家は広大な土地を失いました。本間家の給仕であった村井秀三は、旧恩に報いるため、本間家の資産管理会社に営業部を創設し、肥料や農薬などを旧小作人に販売しました。村井の尽力により営業部は大きく成長し、1963年に本間物産として独立。スーパーマーケット事業に進出しました。

倒産と再建

しかし、1970年代に入ると、経営をめぐる内紛が発生。その後、無計画な多店舗展開や社員教育の遅れ、モラルハザードなどが原因で経営が悪化し、1990年には約400億円もの負債を抱え倒産しました。その後、西友を傘下に置くセゾングループの堤清二が管財人に就任しましたが、セゾングループの経営戦略の変更により、カウボーイの中野晃社長が事業管財人となり、再建を担うことになりました。本間物産はカウボーイの傘下に入り、2004年には債務を完済し、更生手続きを終えました。

伏見屋グループへ、そして事業譲渡へ

カウボーイの経営危機により、2006年にはゴールドマンサックスグループに株式が売却され、中野社長は経営から撤退しました。その後、2008年には伏見屋が本間物産を買収し、子会社化しました。

しかし、競争激化や多角化の失敗などから経営は厳しさを増し、2024年12月、クスリのアオキとの間で事業譲渡契約が締結されました。これにより、本間物産が展開するスーパーマーケット46店舗は、2025年2月28日をもってクスリのアオキに譲渡されることとなり、多くの店舗が閉店することになりました。

店舗展開

本間物産は、最盛期には東北6県を中心に53店舗を展開していました。晩年は秋田県、岩手県、宮城県、山形県に店舗を展開していました。

沿革

1963年（昭和38年）3月 - 本間物産株式会社設立。
1986年（昭和61年）5月 - 株式会社マルホンを吸収合併。
1990年（平成2年）10月 - 会社更生法申請、倒産。
2008年（平成20年）2月 - 株式会社伏見屋が本間物産株を取得、伏見屋グループ傘下へ。
2024年（令和6年）12月 - クスリのアオキと事業譲渡契約締結。
2025年（令和7年）2月 - クスリのアオキへ事業譲渡（予定）。

本間物産の歴史は、地方スーパーの隆盛と衰退、そして時代の変化を象徴する出来事として、記憶されることでしょう。

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