本間茂 (騎手)

本間茂：華麗なる騎手人生と影

1954年生まれの本間茂氏は、川崎競馬場で華々しい騎手人生を歩んだ人物です。1971年、川崎競馬場でデビュー。鈴木定敏門下の中島正治厩舎に所属し、3年目にはグリンフアストで八王子記念を制覇、重賞初勝利を挙げました。その後もテツノカチドキでの東京大賞典制覇、東京ダービー2勝など数々のタイトルを獲得し、南関東を代表するトップジョッキーとして名を馳せました。テツノカチドキ、ミルコウジ、ジヨージレツクス、リユウコウキング、フジノパツサーなど、数々の名馬に騎乗し、数々の勝利に貢献しました。その卓越した騎乗技術と勝負強さで、多くの競馬ファンを魅了しました。


しかし、本間氏の輝かしい経歴の裏には、暗い影が潜んでいました。1990年11月、外部へのレース情報の漏洩疑惑が浮上し、競馬法違反容疑で逮捕されました。彼は川崎市内のパチンコ店で知り合った稲川会関係者と不正に関与し、騎乗馬の情報と引き換えに金銭を受け取っていたとされています。この事件により、特別区競馬組合から無期限の競馬関与禁止処分を受け、騎手としての人生に終止符を打つこととなりました。


騎手廃業後、本間氏は競走馬育成に携わる道を選びました。西山牧場に入社し、競走馬の育成に尽力しています。現在は西山牧場阿見分場の場長として、その経験と知識を活かし、若い世代の育成にも力を入れています。


2012年6月11日、本間氏に対する競馬関与禁止処分は解除されました。長年にわたる謹慎生活を経て、社会復帰を果たしたのです。華々しい栄光と挫折、そして社会復帰という、数奇な運命を辿った本間茂氏。その人生は、成功と失敗、栄光と挫折が複雑に絡み合った、ドラマチックな物語と言えるでしょう。


主な騎乗馬


グリンフアスト：1974年八王子記念、1974年アラブチャンピオン
ピープルクイン：1975年桜花賞、1975年ニューイヤーカップ
カシキユネ：1976年全日本3歳優駿
テツノカチドキ：1984年東京大賞典
ミルコウジ：1985年東京ダービー
ジヨージレツクス：1987年東京ダービー
リユウコウキング：1987年全日本3歳優駿、1988年報知オールスターカップ
フジノパツサー：1990年関東オークス


事件の詳細


本間茂氏の逮捕は、競馬界に大きな衝撃を与えました。彼は暴力団関係者と癒着し、レース情報を漏洩していたとされています。その情報は、暴力団関係者によって馬券購入に利用され、不正な利益を得ていたとされています。本間氏自身も、情報提供の対価として金銭を受け取っていたとされています。この事件は、競馬界の闇の部分を浮き彫りにし、大きな問題となりました。


その後の人生


騎手生活に終止符を打たれた後、本間氏は西山牧場で新たな人生を歩み始めました。競走馬の育成に携わり、その経験と知識を活かして活躍しています。現在は西山牧場阿見分場の場長として、後進の育成にも力を入れています。


本間茂氏の人生は、成功と失敗、栄光と挫折が複雑に絡み合った、ドラマチックな物語です。その波瀾万丈の人生は、多くの教訓を与えてくれるとともに、私たちに深い感動を与えてくれます。 彼の経験は、競馬界のみならず、社会全体にとって貴重な教訓となるでしょう。


参考文献


『競馬おいこみ読本 人がいなくてもゴール前！』宝島社〈別冊宝島 競馬読本シリーズ〉、1990年11月8日、26-40頁。ISBN 978-4796691215。

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