本間陽子

本間陽子：日本のバレリーナの先駆者

本間陽子（ほんま ようこ）は、日本のバレエ界において数々の偉業を成し遂げたバレリーナです。彼女は神奈川県出身で、日本人として初めてモスクワ・ボリショイ・バレエ団でソリストとして舞台に立ちました。また、ボリショイ劇場附属バレエ学校を卒業した初の日本人でもあります。これにより、彼女は日本人バレリーナの海外進出の先駆けとなりました。

経歴の始まり

本間は3歳にしてバレエを始めました。彼女は薄井憲二に師事し、10歳の時にはチャイコフスキー記念東京バレエ学校に入学します。そこでスラミフィ・メッセレルに学び、技術を磨いていきました。1965年、モスクワ・ボリショイ劇場附属バレエ学校に留学することが決まり、メッセレルの推薦を受けてからの彼女の人生は大きく変わりました。

1967年に卒業の国家試験を終えた後、ボリショイ・バレエ団に研修生として入団します。エカテリーナ・マクシーモワとともにエリザベータ・ゲルトのクラスで学びながら、1970年には「白鳥の湖」公演において六人の花嫁を演じ、その名をさらに広げたのです。

海外での活動

本間は1967年から1974年まで、モンテカルロ、ニューヨーク、ドイツのバレエ団で活動しました。特にドイツのZDFのテレビ番組にプロダンサーとしてレギュラー出演していたことは彼女の知名度を上げる要因となりました。1968年には、モンテカルロバレエ団に所属し、ヌレエフとともにイタリア公演にも参加し、「パキータ」や「ジゼル」などの名作に出演しました。

日本での活動と教育

1975年に日本に帰国した本間は、バレエの指導を始め、鎌倉で後進の育成に努めました。彼女の指導のもとには、芸能界に初めて足を踏み入れたタモリもいました。これは日本のバレエ界における重要な一歩となりました。

また、本間は数多くの著名なバレエ界の人物と親交があり、例えばミハイル・メッセレル、タチアナ・クライシナ、アレクサンダー・ミシューチンなどとの交流があります。2005年には、アメリカのシアトルにあるInternational School of Classical Balletの客員教師として活動し、その後も2010年にはオーストラリアのゴールドコーストで地元の生徒にバレエを教えるなど、活動の幅を広げています。

レパートリー

本間のレパートリーには、代表作として『白鳥の湖』（6人の花嫁やナポリの踊り）、『ミカド』（主役）、『パキータ』、『ジゼル』、『レ・シルフィード』、および『ドン・キホーテ』（キトリ）などが含まれています。彼女の演技は、1967年7月に発行された「今日のソ連邦」や1968年11月11日の「ライフ アジア版」にも取り上げられるなど、高く評価されました。

本間陽子の人生と業績は、これからも多くの後進のバレリーナたちにとっての道しるべとなるでしょう。彼女のこれまでの歩みは、バレエ界における日本の地位を高める上でも、多大な貢献を果たしてきました。

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