札樽線 (北海道中央バス)

北海道中央バス 札樽線：歴史と変遷

北海道中央バスが運行する札樽線は、札幌と小樽を結ぶ重要なバス路線です。この記事では、その歴史的背景、札樽自動車道（札樽道）経由の高速バス路線、そして関連する系統について詳しく解説します。

歴史

終戦後、北海道中央バスの路線網は札幌から石狩・空知方面、小樽から後志方面へと分断されていました。この状況を打開するため、札幌 - 小樽間の直通路線開設が計画されました。しかし、この区間は1934年（昭和9年）から国鉄バス（省営バス）が独占しており、函館本線も並行していたため、新規参入は非常に困難でした。

当時の国鉄バスは木炭バスを使用しており、道路状況も悪く、片道2時間30分を要し、運賃も列車より5割高という状況でした。そのため、利用客は低迷し、民営バスの運行を望む声が高まりました。1948年（昭和23年）9月に路線免許を申請しましたが、ガソリンやタイヤなどの配給制が解除されておらず、1路線に2社の営業は時期尚早として却下されました。

1949年（昭和24年）12月に再度申請を行ったところ、これを知った国鉄バスは翌年から大型車を導入し、所要時間を1時間30分程度に短縮、運行本数を2倍に増やしました。その結果、利用客が増加し、1路線1社とする必要性はないことを証明する形となりました。当時の専務は、陸運局長に対し、国鉄バスとの無用な競争を避け、運行本数や運賃は国鉄バスと協議して決定し、途中停留所での乗降はできるだけ行わず急行バスとして運行することを約束しました。さらに、国鉄本社自動車局へも足を運び了解を取り付けるなど奔走した結果、1950年（昭和25年）12月に路線免許が交付され、1951年（昭和26年）4月より急行バス6往復の運行を開始し、分断されていた営業路線が繋がることとなりました。

札樽線の運行開始を記念して、乗客におしぼりと小樽市内のりかえ券が無料サービスされました。当時は冷房がなく窓を開けるため、舗装されていない道路から土埃が容赦なく入り込んできましたが、蒸した熱いおしぼりは埃だらけの乗客に好評でした。しかし、国鉄バスから無用な競争を煽るものとして苦情が出て、1ヶ月ほどで中止となりました。

札樽バイパス（現：札樽自動車道）の開通を機に、1972年（昭和47年）2月より札幌 - 小樽・岩内間に札樽道経由の路線が11往復開設され、従来の国道5号経由20往復と合わせて31往復に増加しました。以降、毎年札樽道経由の増便や、小樽 - 札幌 - 千歳空港間の路線開設などを行い、着実に利用客が増加していきました。対する国鉄バスは、札樽道経由の特急バスを6往復運行しましたが、利用客の低迷を理由に1978年（昭和53年）12月に休止しました。その後、1986年（昭和61年）になって再開計画が明らかになり、8年間の休止は廃止に等しいとして異議を唱えたものの、新規開設ではなく休止路線の再開であるため認めざるを得なく、同年11月に再開されました。その代償として10往復の増回が認められました。

バス事業の規制緩和を目前とした2001年（平成13年）には、札樽道経由便にてジェイ・アール北海道バスとの共同運行を開始しました。両社で異なっていた愛称も「高速おたる号」に統一され、一部に利用制限は残るものの、札樽間高速バス共通カードの発行や乗り場・停留所の統一などにより、合わせた運行回数は120往復（1時間あたり8本）となり、利便性は格段に向上しました。

国道経由は2004年（平成16年）11月限りで直通便が廃止され、薬大前で系統分割されましたが、利用客の低迷により札幌・桂岡線は2013年3月をもって廃止されました。ジェイ・アール北海道バスの国道経由便も宮の沢駅・手稲駅で系統分割されており、札幌 - 小樽直通は両社とも札樽道経由便が主体となっています。

まとめ

札樽線は、時代の変化とともに運行形態を変えながら、札幌と小樽を結ぶ重要な交通手段としての役割を果たしてきました。今後も、地域住民や観光客のニーズに応じた柔軟な運行が期待されます。

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