朴定陽

朴定陽の人生と業績

朴定陽（パク・チョンヤン）は1842年2月4日に生まれ、1905年12月15日に亡くなった李氏朝鮮の重要な政治家です。彼の本貫は潘南朴氏であり、字は致中、号は竹泉、諡号は文翼公として知られています。彼は朋党政治において老論派に属し、その活動を通じて韓国の近代化に寄与しました。

生涯の経緯

朴定陽は、1866年に科挙の文科に合格し、1873年には正三品の地位に昇進しました。その後、彼は承政院の承旨としての経験を経て、1874年には慶尚左道暗行御史に任命されました。この役職では、東萊府における大院君政権の対日外交の妨害を調べ、その結果を報告しました。

1879年には従二品に昇進し、さらに刑曹参判などの役職を歴任しました。1881年には「紳士遊覧団」の一員として日本を視察し、内務省や農商務省の業務に関する報告書をまとめました。これによって開国政策の推進に貢献し、その後も吏曹参判や都承旨などの重要ポストを務めました。

国際的な経験

1887年6月、朴定陽は駐箚アメリカ合衆国公使に任命されましたが、当時の清国の干渉に直面しました。清国は朝鮮公使が清国公使の下位であるという3つの条件を提示しましたが、朴定陽はこれを拒否し、1887年10月に仁川港から太平洋航路でアメリカに向かいました。彼はワシントンに到達した際、清国の要求を無視して単独でグロバー・クリーブランド大統領に国書を贈呈しました。この行動により、朝鮮の総理袁世凱は政府を非難しました。

帰国と内閣活動

1889年に帰国した朴定陽は、1891年には正二品に昇進し、戸曹判書に就任しました。さらに1892年には従一品に昇進し、軍国機務処の会議員、学務衙門大臣としても名を馳せます。彼は特に甲午改革の立役者として知られ、1895年5月には大韓帝国第2代内閣総理大臣に任命されました。しかし、同年8月には内部大臣に転任し、高宗の摂政を務めましたが、乙未事変での閔妃の惨殺により政界を去ることになりました。

政界復帰と晩年

1896年には親露派政権が成立し、再び内部大臣に就任しました。その後も議政府参政などを歴任し、1898年に独立協会の改革運動が盛り上がる中で改革派と見なされるようになりました。1904年には度支部大臣を務め、正一品に昇進した後、宮内府の高官となりますが、翌年には病によりこの世を去りました。

著作

彼の遺した業績の一つに『朴定陽全集』があります。この著書は彼の政治理念や当時の出来事などを知る貴重な資料となっています。彼の生涯は、李氏朝鮮の変革と近代化の一端を担った重要な歴史的存在として位置づけられています。

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