朴斉家

朴斉家とは

朴斉家（パク・チェガ、1750年11月5日 - 1815年7月6日）は、李氏朝鮮時代における重要な実学者であり、詩人や画家としても名を馳せた人物です。彼の字は次修（チャス）で、号としては楚亭または貞蕤を用いていました。また、彼の本貫は密陽朴氏です。彼は、李徳懋や白東脩と共に、武芸図譜通志の編纂に参加するなど、様々な分野で活躍しました。

教育とキャリアの初期

1768年、朴斉家は朴趾源に師事し、学問の道を歩み始めました。1779年には、正祖が設置した奎章閣にて検書官に抜擢され、彼の学識と才能が高く評価されたことが伺えます。彼の経歴は、実学の普及を目指した多様な活動で彩られています。

中国への視察と『北学議』

1778年以降、朴斉家は4度にわたり朝鮮燕行使に随行し、中国に赴きました。彼はその観察を通して、農業や牧畜、城郭、宮殿、舟、瓦など、様々な技術や制度について詳細に学びました。この経験から得た知識をもとに、彼は「福利厚生」の重要性を説きました。特に、農業を中心とした発展の概念を提唱し、その見聞を「丙午所懐」としてまとめ上げ、正祖に提出しました。

政治思想と批判

朴斉家は、自身の著作『北学議』において、当時の両班勢力の無為徒食や腐敗を厳しく批判しました。彼の主張は、士農工商の序列を改め、貿易や通商を通じた国家の繁栄を目指す重商主義に根ざしていました。しかし、彼の提案は保守的な勢力によって反発を受け、十分な支持を得ることはできませんでした。特に、彼は漢文化を中華として尊重し、女真と朝鮮を「夷」と見なすなど、国際的な視点からも独自の見解を持っていました。

朝鮮語廃止論の提唱

さらに、朴斉家は朝鮮語を捨て、中国語を用いることを主張しました。この考え方は当時の伝統に反するものであり、彼の思想がどれほど革新的であったかを示しています。

結論

朴斉家の業績と思想は、李氏朝鮮時代における学問的な発展や社会改革に寄与しました。彼の批判的な視点と実学に対するアプローチは、後の世代に影響を与えるものであり、彼の功績はなお注目されています。

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