朴永均

朴 永均（パク・ヨンギュン）

韓国が生んだ不屈のファイター、朴永均（パク・ヨンギュン、Yong-Kyun Park）は、1967年8月16日にソウル市で生まれた元プロボクサーです。その強烈なプレッシャーとタフネスから「ブルドーザー」の異名で親しまれ、特にWBA世界フェザー級王者として長きにわたりその名を轟かせました。

輝かしいキャリアの軌跡

1986年12月9日、プロのリングに上がった朴永均は、デビュー戦を初回KO勝利という鮮烈な形で飾ります。キャリア初期はスーパーバンタム級で経験を積み、1987年10月31日、プロ11戦目にして韓国スーパーバンタム級王座に初挑戦しましたが、結果は10回判定による引き分けに終わりました。

しかし、彼は諦めず、翌1988年7月17日に再び同王座に挑み、10回判定勝ちで見事ベルトを獲得します。順調なキャリアを歩むかに見えましたが、同年11月27日の初防衛戦で崔在元に10回判定負けを喫し、王座から陥落。これがプロとして初めての敗戦となりました。

失意を乗り越え、朴永均は階級をフェザー級に上げ、1989年10月29日には韓国フェザー級王座を獲得。これにより、国内での2階級制覇を達成し、再び上昇気流に乗ります。

東洋太平洋、そして世界へ

国内王座獲得後、朴永均はさらなる高みを目指します。1990年1月21日、OPBF東洋太平洋フェザー級王座を保持していたジョジョ・カイソン（フィリピン）に挑み、8回KO勝利でこの地域タイトルも獲得しました。この東洋太平洋王座は2度にわたり防衛を果たし、その実力をアジア全域に知らしめました。

そして、プロ20戦目となる1991年3月30日、遂に世界初挑戦の機会が訪れます。母国韓国のリングで対戦したのは、WBA世界フェザー級王者アントニオ・エスパラゴサ（ベネズエラ）でした。世界王者を相手に一歩も引かない壮絶な打ち合いを展開し、12回の激戦の末、判定で勝利を掴み、念願の世界王座獲得を成し遂げました。

世界王者としての長期政権

WBA世界フェザー級王者となった朴永均は、そのファイターとしての本領を発揮し、防衛ロードを突き進みます。日本の竹田益朗、淺川誠二、松本好二といった強豪を含む挑戦者たちを次々と退け、通算8度もの防衛に成功し、世界王座に長期政権を築き上げました。彼のタフネスと前進し続けるスタイルは、多くのファンの心をつかみました。

しかし、9度目の防衛戦で、かつて2度目の防衛戦で対戦したエロイ・ロハス（ベネズエラ）と再び拳を交えることとなります。12回の激闘の末、判定負けを喫し、世界王座から陥落しました。

引退、そして残した足跡

世界王座陥落後も、朴永均は再び世界の頂点を目指し、1995年5月27日、因縁の相手であるエロイ・ロハスとの三度目の対戦に臨みます（通称ラバーマッチ）。過去2戦と同様、今回も12回のフルラウンドに及ぶ死闘となりましたが、判定負けを喫し、王座奪還は叶いませんでした。この試合を最後に、朴永均は惜しまれつつグローブを置き、現役生活に終止符を打ちました。

「ブルドーザー」朴永均は、そのキャリアを通じて、国内、地域、そして世界王座を獲得し、韓国ボクシング界に確固たる足跡を残しました。

獲得タイトル

韓国スーパーバンタム級王座
韓国フェザー級王座
OPBF東洋太平洋フェザー級王座
WBA世界フェザー級王座（防衛8）

もう一度検索