朶思大王

朶思大王（だし だいおう） — 三国志演義の知恵者

朶思大王は、中国の古典的な通俗歴史小説『三国志演義』に登場する架空のキャラクターであり、その存在は物語の中で重要な役割を果たしています。彼は禿竜洞（とくりょうどう）という特殊な洞窟の主であり、南蛮の中で最も知恵に秀でた者として広く知られています。

物語の中で、朶思大王は南蛮王・孟獲のもとに登場します。孫権率いる蜀軍に絶え間ない敗北を喫していた孟獲は、五度目の戦いに向けて朶思大王の助けを求めました。彼の弟である孟優が朶思大王を紹介し、彼らは連携して蜀軍に対抗する計画を立てます。

朶思大王は、禿竜洞への道に配置された四ヶ所の毒の泉を使い、蜀軍の進行を妨げることを提案します。この巧妙な策略は、実際に蜀軍を苦しめることになりますが、諸葛亮は孟獲の兄である孟節の支援を受け、この困難を打破します。

ところが、その後の展開では、朶思大王と孟獲は楊鋒の裏切りによって捕らえられてしまいます。しかし、彼らはすぐに再び自由の身となり、その後も共に行動を続けます。特に、孟獲が銀坑洞で兵士を集める際には、朶思大王が重要な役割を果たします。

その後、彼の妻の弟である帯来洞主からの勧めで木鹿大王に援軍を求めに行く間、朶思大王は前線の三江城で守備を任されることになります。彼は趙雲や魏延といった蜀軍の名将たちと交戦しますが、毒矢の攻撃に苦しみ、最終的には戦闘の中で命を落とします。

朶思大王の物語は、彼の知恵や勇敢さ、そして南蛮の一国としての抵抗の姿を示すインパクトあるエピソードと共に、多くの読者に感銘を与えています。彼の存在は、南蛮の文化や伝説における代表的なキャラクターの一つとして、今なお語り継がれています。彼の知恵と策略は、時として勝利をもたらす要因となり、その影響を物語全体に及ぼしたことは間違いありません。

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