朽網親満

朽網親満：戦国時代の武将、大友氏家臣

朽網親満（くたみ ちかみつ）は、戦国時代の武将であり、大友氏の家臣として活躍しました。彼の生涯は、大友氏を取り巻く激しい勢力争いと深く関わっています。

生涯

親満は元服の際、父と同様に、当時の主君であった大友政親（親繁の長男）から偏諱を賜り、親満と名乗りました。明応6年（1497年）には、政親の死後、加判衆に列せられています。

永正元年（1504年）には、菊池能運の病死に伴い、肥後国守護をめぐる争いが勃発しました。この混乱に乗じて、大友親治・義長父子は相良長毎らと共に阿蘇惟長（菊池武経）を擁立し、親満はその護衛を任されました。永正5年（1508年）には、排除した菊池政隆を攻め立て、翌年には自害に追い込んでいます。

永正9年（1512年）の小田原右京助への知行宛行連署奉書の署判を最後に、加判衆としての活動は途絶えます。この背景には、大友義長から大友親安（のちの義鑑）への家督継承に対する不満があったと推測されています。

永正13年（1516年）8月、田染荘政所の古庄治重父子が府内に召し出され、謀叛の疑いで監禁される事件が起こります。父子は辛うじて脱出に成功し、宇佐宮番長であった永弘氏輔の館に逃げ込みました。古庄の上官であった親満自身にも嫌疑がかけられていることを知ると、道場寺（現在の行橋市）に逃亡・潜伏しました。一党は高勝寺（玖珠城）や松木山城などに立て籠もりますが、攻略され、宇佐郡の大副村（現在の院内町）で数十人が宇佐郡代の佐田氏らに討ち取られました。

事態は悪化の一途をたどり、親満は吉弘新兵衛親就を使者として、国東郡の田原親述・政定兄弟や佐伯氏らと共に、大野・直入・玖珠郡の勢力を集結させ、大友親綱の子である大聖院宗心を擁立して家督を奪取しようと主張しました。反乱の準備に取り掛かり、一万田六郎（一萬田常泰か）、吉弘新兵衛、小田原兵部、倉成縫殿らと協議し、国外へ追放されていた田原の帰国を待ちました。しかし、田原や宗心の態度は消極的でした。

そのため、古庄治重・吉弘新兵衛らは宗心擁立を断念するよう進言しましたが、親満はこれを拒否し、道場寺から伊良原へと移動しました。

永正15年（1518年）、高崎山城にて蜂起しますが、大友義長・義鑑らの討伐軍に敗れ、秋月・太宰府方面へ逃亡しました。その後の親満に関する詳細は不明です。

反乱の計画では、佐伯氏と（妻が佐伯氏の娘で姉妹である）親述、親満の三者が府内を包囲するというものであったとされています。しかし、宗心の大友宗家への執心が薄れていたことや、親述の情勢把握の甘さなどにより、親満は梯子を外される形となってしまいました。

朽網氏の家督は、入田氏から入った鑑康が継承しました。

朽網親満の生涯は、戦国時代の地方武将の苦悩と、大名家内部の複雑な権力闘争を色濃く反映していると言えるでしょう。

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