杉山満丸

杉山 満丸（すぎやま みつまる）

杉山満丸は、1956年2月3日に生まれた日本の作家・評論家です。彼は、戦国時代の大名、龍造寺氏の子孫として知られています。家族は長い歴史を持ち、彼の曾祖父、杉山茂丸は政財界のフィクサー、祖父は著名な作家、夢野久作、そして父は「インドの緑化の父」と称される杉山龍丸です。また、詩人の杉山参緑が叔父という、文学や社会において光を放つ一家の一員です。

満丸は、九州産業大学付属九州産業高等学校で教鞭を取りながら、夢野久作や家族の歴史についての研究を続けています。彼の教育者としての役割は、次世代に知識と文化を伝えるだけでなく、家族の遺産を守り、広めることでもあります。

略歴

満丸は1974年に福岡大学附属大濠中学校・高等学校を卒業した後、1980年に東京農工大学農学部を卒業しました。その後は九州大学で農業工学を研究し、1990年には自身の研究成果を農業土木学会の誌に発表しました。この発表は農林水産省からも新技術として認定されるなど、農業工学分野での知識が評価されました。

満丸は、1995年から2018年まで九州産業大学で教諭を務め、教育に従事する一方で、自身の家族にまつわる膨大な遺品を管理し続けています。特に1987年に父親の死去を受けて、約10,000点にのぼる資料を自宅に保管しました。

主な活動

満丸の活動は多岐にわたり、1988年には映画『ドグラ・マグラ』の制作に関わり、1994年にはテレビ番組『久作の夢』に出演して女優の吉行和子と対談を行いました。また、1998年にはドキュメンタリー番組『砂漠に緑を～緑の父・杉山龍丸の奇跡～』に出演し、父の足跡を追い求めました。

1999年には杉山龍丸の資料を福岡市総合図書館に寄託し、2001年には著書『グリーン・ファーザー―インドの砂漠を緑にかえた日本人・杉山龍丸の軌跡』を出版しました。以降も様々なメディアでの出演や寄稿を行い、2012年には「夢野久作と杉山三代研究会」を発足させ副会長を務めました。

彼はまた、父の残した資料を次世代へつなぐため、九州大学石炭資料館に移転寄託し、さらなる研究と保全に努めています。2014年には夢野久作の初期原稿がこの資料館から発見され、その成果は多くのメディアで取り上げられました。

交友関係

杉山満丸は、玄洋社や黒龍会の研究を通じて作家や文芸評論家と交流を持ち、特に浦辺登との親交が深いとされています。彼の家庭環境と彼自身の活動は、文学や社会への深い影響を与え続けています。

杉山満丸は、ただの作家や評論家としてではなく、歴史的な背景を持つ家族の一員として、彼らの文化と遺産を未来につなぐ役割を担っています。

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