杉本繁郎

杉本繁郎について

杉本繁郎（すぎもと しげお、1959年6月14日生まれ）は、オウム真理教の元幹部で、広島県出身になります。彼は教団内で「ガンポパ」というホーリーネームを持ち、省庁制導入後は「自治省次官」を名乗ることにもなりました。

学歴と早期のキャリア

1982年3月、岡山商科大学を卒業した杉本は、当初広島県内の証券会社に就職しましたが、甲状腺機能亢進症を患い、すぐに退職を余儀なくされました。その後、建設会社に転職するもわずか2ヶ月で倒産。健康のために自宅で療養しながらヨーガを行っていた際に、オウム神仙の会に出会いました。杉本は1986年4月に入信し、出家番号4番の信者となります。彼はオウムに入る前から、チベット密教に強い関心を抱いており、中沢新一の著作を読んでいたこともありました。出家制度が設立される直後の1986年9月5日に正式に出家し、1988年10月にはクンダリニー・ヨーガを成就し、ガンポパのホーリーネームを授かります。

教団内での役割と影響

1993年2月、杉本は一度教団を離れるものの、その後教団の秘密を知ってしまったために強制的に戻され、麻原彰晃からは脅迫的な言葉を受けながらも彼の運転手としての役割を果たしました。この中で、自身の権力の象徴を車に見出し、麻原の意向に従うことで自らの欲望を満たしていきました。

杉本は1994年7月には毒ガス漏洩事件に加担し、1995年には地下鉄サリン事件に関わりを持った人物として知られています。事件の実行犯である小池と共に行動し、自分の行動を「ポア」と呼ぶことで正当化する姿勢が、信仰の中での彼の心情をよく表しています。地下鉄サリン事件の際には、強制捜査が行われることになるとの思いを抱きつつも、教団の命令に従いました。

法的な後退と証言

逮捕後、杉本は「正悟師」としての地位を持ち続けました。裁判では無期懲役が求刑され、最高裁での上告も棄却され、彼の刑が確定したのは2009年4月のことでした。その後、2014年と2015年には平田信、高橋克也の裁判で証人として出廷しました。

終身刑での考察

杉本は2018年には、麻原彰晃や元幹部ら13名の死刑執行に衝撃を受けました。彼は、自身が教団で体験したことや麻原の口から何が語られるべきだったのかを考え続けています。また、教団の教義は、仏教やヨーガからの転用であり、絶対的な真理ではないとの持論を展開し、自らの経験から他者に思索を促すメッセージを発信しています。「無条件に受け入れてしまうことは、過ちを繰り返す原因となり得る」と警鐘を鳴らしています。現在、杉本は山形刑務所で服役を続けています。

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