李在明

李在明（イ・ジェミョン）

李在明（이재명、1887年10月16日 - 1910年9月30日）は、大韓帝国末期に活動した朝鮮独立運動家であり、特に親日派要人の暗殺計画とその実行で知られています。幼名は李秀吉といい、本貫は鎮安李氏に属します。

彼は平安北道の宣川郡で生を受け、幼少期に平壌へ移り住みました。キリスト教系の私塾である日新学校を卒業後、プロテスタントの信仰を持つようになりました。1904年には、新天地を求めてアメリカのハワイ準州へと労働移民として渡ります。

しかし、故国が日本との間に第二次日韓協約（1905年）および第三次日韓協約（1907年）を締結した報に接すると、彼は強い衝撃と憤りを感じ、1907年に日本を経由して帰国することを決意しました。帰国後、これらの不平等条約の締結に関与した伊藤博文をはじめ、当時の内閣総理大臣であった李完用、その他宋秉畯、李容九といった親日派の政治家たちを暗殺することを深く企図するようになります。1909年1月には、平壌を視察中の伊藤博文を狙って、数人の同志と共に平壌駅周辺で待ち伏せましたが、同志の一人である安昌浩の説得によって計画の実行を断念しました。

李完用暗殺未遂事件

李在明の独立運動における最も知られた行動は、1909年12月に計画・実行された李完用暗殺未遂事件です。同年12月7日、彼は平安南道平壌郡（現在の平壌）にある朴泰殷の邸宅にて、内閣総理大臣であった李完用を殺害するため、金貞益、李慶三、金泰善、李東秀といった同志たちと謀議を重ねました。翌8日には、平壌郡陵徳府にある内縁の妻の実家に再び集まり、李本人と李東秀、金丙録の3名を実行担当者とし、他の参加者は各自の役割を申し合わせました。

計画は着々と進み、12月17日には李から旅費を受け取った李東秀らが漢城（現在のソウル）入りを果たします。李は、ベルギー国王レオポルド2世の崩御に伴う追悼式に李完用が参列するという情報を入手し、この機会を利用して12月22日を暗殺決行日と定めました。決行当日、漢城府の鍾峴天主教会堂（現在の明洞聖堂）で行われた追悼式の後、人力車に乗って帰宅しようとする李完用を、焼き栗売りに変装して待ち構えていた李在明が襲撃しました。彼は剣を用い、李完用の肺や腰に重傷を負わせました。この襲撃の際、偶発的に人力車夫のパク・ウォンムンが巻き込まれ、その場で命を落としています。李在明自身は、護衛警察の発砲により太股を負傷しながらも逮捕されました。重傷を負った李完用は大韓医院（現在のソウル大学校病院）に搬送され、院長であった菊池常三郎の外科手術によって一命を取り留めることができました。李在明は公判において、人力車夫の死は意図したものではなく、あくまで偶然の出来事であったことを強く主張しました。

1910年、彼はこの事件により死刑の宣告を受けます。そして、韓国併合がなされた翌月、1910年9月30日に京城監獄（現在の西大門刑務所）にて刑が執行され、22歳の若さで生涯を閉じました。この事件に関連して、李東洙、趙昌鎬、金貞益ら11名の共犯者もまた投獄される結果となりました。

死後

大韓民国が独立を回復した後、李在明の行動は高く評価されることとなります。1962年には韓国政府から建国勲章大統領章が追叙され、その独立への貢献が認められました。さらに、2001年12月には大韓民国国家報勲処によって「今月の独立運動家」に選定されています。李完用襲撃事件の現場となった明洞聖堂の入口付近には、彼の行動を記念する碑が建立されており、その志が今に伝えられています。また、作家パク・サンウの長編小説『刀』は、李在明と彼が企てた李完用襲撃事件を題材としています。

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