李埼鎔

李埼鎔の生涯とその評価

李埼鎔（り きよう、イ・ギヨン、朝鮮語: 이기용）は、1889年11月1日に漢城（現在のソウル）に生まれた朝鮮の元王族であり、貴族（子爵）としても知られる政治家です。彼は興宣大院君の長兄にあたる興寧君李昌応の孫であり、完林君李載元の息子でもあります。彼の本貫は全州李氏であり、漢字表記では李琦鎔とも表記されます。

学生時代からの活動

李埼鎔は1910年に大韓帝国修学院中等科を卒業し、同年に朝鮮貴族として子爵の位を授与されました。その後、1912年には朝鮮総督府が所有する未開発地である京畿道南陽郡長安面において土地の利用権を取得し、韓国併合を記念する章を受けるなど、さまざまな活動を行いました。また、同年に齋洞公立普通学校の委員としても活動していました。

1915年には大正天皇の即位式に出席し、大礼記念章を授与されるなど、当時の権威ある行事にも関与していました。彼は1917年には仏教擁護会の顧問としての役割を担い、宗教活動にも貢献しました。しかし、その後賭博が原因で破産を申請することとなるも、裁判所により爵位を維持することが許可されました。

政治活動と晩年の状況

1932年には朝鮮神宮の新嘗祭において朝鮮貴族の代表として参加し、以後の祭典にも顔を出しました。1936年には江原道の金化郡任南面にある金銀鉱の共同鉱業権を取得し、鉱業分野にも進出しました。さらに1937年には朝鮮国防協会や同曜会の発起人を務め、1938年には朝鮮報国会の設立にも協力するなど、政治活動を継続していきました。

1945年からは貴族院の朝鮮・台湾勅選議員としての職務を開始しましたが、1949年1月には反民法第2条違反の疑いで検挙され、裁判を受けることになりました。

死後の評価

李埼鎔は1961年3月4日に亡くなりましたが、彼の死後もその評価は分かれています。2002年には韓国国会民族正気の会によって親日派708人名簿に名を連ねることとなり、彼は親日反民族行為者ともされました。このような評価が彼の政治活動や貴族としての立場にどう影響を及ぼしたのか、今なお議論が続いています。

李埼鎔の生涯は、朝鮮の歴史における複雑な時代における貴族の立場を体現しており、特に日本統治時代における彼の役割は、韓国社会の中で議論の的となっています。

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