李延寿

李延寿（り えんじゅ、生没年不詳）は、唐代の歴史家であり、字は遐齢（かれい）と称しました。彼の家系は、隴西郡狄道県（現在の甘粛省定西市臨洮県）を本貫とし、代々相州に居住していました。高祖父は李虔（り けん）、曾祖父は李曉（り ぎょう）、祖父は李仲挙（り ちゅうきょ）、そして父は李大師（り たいし）という家系でした。

李延寿の父である李大師は、隋末期に竇建徳（とう けんとく）に仕え、礼部侍郎（れいぶじろう）の地位にありました。しかし、竇建徳が滅亡した後、李大師は会州に流されましたが、後に赦免されました。李大師は、編年体の南北朝通史の執筆を構想し、その編纂に着手していましたが、志半ばで628年にこの世を去りました。

父の遺志を継ぎ、李延寿は未完成だった南北朝通史の編纂を引き継ぎました。彼は16年の歳月を費やし、『南史』80巻と『北史』100巻という二つの大著を完成させました。これらの歴史書は、659年に正史として正式に認められ、その歴史的価値を確立しました。

李延寿は、唐の太宗に仕え、太子典膳丞（たいしでんぜんじょう）や崇文館学士（すうぶんかんがくし）などの役職を歴任しました。また、『隋書』や『晋書』の編纂にも携わり、御史台主簿（ぎょしだいしゅぶ）となり、直国史（じきこくし）を兼任しました。その後、符璽郎（ふじろう）に任ぜられ、修国史（しゅうこくし）を兼任しましたが、まもなく死去しました。

李延寿は、歴史家としての才能だけでなく、政治的な手腕も持ち合わせていました。彼の著作は、歴史研究において非常に重要な資料として位置づけられています。

李延寿の著作は、『南史』、『北史』の他に、『太宗政典』30巻が知られています。これらの著作は、唐代の歴史や文化を理解する上で欠かせない資料であり、彼の歴史家としての業績は、後世に大きな影響を与えました。

李延寿の伝記資料としては、『旧唐書』の巻73 列伝第23と、『新唐書』の巻102 列伝第27が挙げられます。これらの資料から、彼の生涯と業績を詳細に知ることができます。彼の歴史研究への貢献は非常に大きく、その名声は今日まで語り継がれています。

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