隴西郡

隴西郡

隴西郡は、中国にかつて存在した郡であり、現在の甘粛省東南部に位置していました。その歴史は秦代に始まり、唐代まで存続しました。

歴史

秦代

戦国時代末期、秦が義渠国を滅ぼした際に隴西郡が設置されました。秦が中国を統一すると、全国に三十六郡が置かれ、隴西郡の郡治は狄道県に置かれました。

前漢

前漢末には、隴西郡は狄道、上邽、安故、氐道、首陽、予道、大夏、羌道、襄武、臨洮、西の11県を管轄していました。しかし、王莽の時代には厭戎郡と改称されました。

後漢

後漢が成立すると、郡名は再び隴西郡に戻されました。隴西郡は涼州に属し、狄道、安故、氐道、首陽、大夏、襄武、臨洮、障、河関の9県を管轄しました。

魏晋南北朝時代

曹魏の時代には、郡治が襄武県に移されました。曹魏末期には、襄武、首陽、臨洮、狄道、河関、枹罕の6県を管轄しました。西晋時代には、一時的に隴西国と改称されましたが、後に再び隴西郡に戻りました。この頃には、管轄する県は襄武と首陽の2県のみとなりました。

五胡十六国時代には、前趙、後趙の時代には秦州に、前秦の時代には河州に、後涼では涼州に、後秦では雍州に、西秦では再び秦州に属しました。

北魏～隋唐

北魏時代には渭州に属し、首陽県は渭源県と改称されました。西魏と北周もこの体制を引き継ぎました。隋代には一時的に廃止されましたが、すぐに復活し、渭州が隴西郡と改称されました。唐代になると、再び渭州に戻され、742年に再び隴西郡となりましたが、758年には再び渭州となり、隴西郡の名称は消滅しました。

このように、隴西郡は時代の変遷とともに、その範囲や名称、所属を変えながら、中国の歴史の中で重要な役割を果たしました。

もう一度検索