628年

628年：東アジアを揺るがせた転換期

628年は、西暦（ユリウス暦）では閏年でした。東アジアでは、日本、中国、朝鮮半島で歴史の大きな転換点が訪れた年として知られています。政治的な変動、宗教的な出来事、そして天体の運行までもが、この年の人々の生活に大きな影響を与えました。

日本の歴史における628年

日本においては、推古天皇36年にあたり、この年は天皇の崩御という大きな出来事が起こりました。4月15日（旧暦3月7日）、推古天皇が崩御されました。推古天皇は日本の歴史上重要な天皇であり、その治世下で仏教が盛んに伝来し、飛鳥文化が花開いた時代でした。天皇の崩御は、後継者争いや政治的混乱を招く可能性があり、実際、この後、後継者争いが激化することになります。

さらに、628年には、日本列島東方の太平洋上で皆既日食が起こりました。4月10日（旧暦3月2日）に観測されたこの日食は、『日本書紀』に記録されており、日本で最初に記録された日食として、貴重な天文学史料となっています。当時の人々にとって、日食は天からの警告や異変として受け止められていたと考えられ、この出来事が政治や社会に影響を与えた可能性も否定できません。

また、この年には、東京都台東区に位置する浅草寺の創建も伝えられています。浅草寺は、東京都最古の寺院として現在も信仰を集めており、この創建は、仏教が日本の社会に深く根付いてきたことを示す一つの象徴と言えるでしょう。

推古天皇崩御後、後継者をめぐる争いが激化しました。遺言を受けた田村皇子（後の舒明天皇）と山背大兄王の擁立派の間で対立が起こり、蘇我蝦夷と蘇我馬子の弟である境部摩理勢の死という悲劇的な事件が9月に発生しました。

東アジアにおける628年

中国では、唐の高宗が誕生しました。7月21日（旧暦6月15日）の誕生は、唐の盛世を象徴する出来事の始まりとなりました。高宗は、のちに中国の歴史において重要な役割を果たすことになる皇帝です。

朝鮮半島では、高句麗、百済、新羅の三国がそれぞれ独自の政治体制の下で存在していました。それぞれの国では、それぞれの王が治世を続け、それぞれの時代の出来事が起こりました。628年は、それぞれの国で独自の年号が使われており、それぞれの国の歴史を理解する上で重要な年となります。

628年の出来事の意義

628年は、東アジアの政治、宗教、文化、そして天文学に様々な影響を与えた年でした。日本の推古天皇の崩御、唐の高宗の誕生、そして浅草寺の創建は、それぞれ歴史の流れを変える大きな出来事であり、これらの出来事は互いに関連し合い、東アジア全体の情勢に影響を与えたと考えられます。この年の出来事を理解することは、東アジアの歴史を理解するために不可欠です。日食の記録は、当時の天文学や社会状況を知る上で貴重な資料であり、研究の対象として注目に値します。

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