李王家

李王家について

李王家は、李成桂（太祖）が1392年に即位したことから始まり、その後518年間にわたり朝鮮王家として君臨しました。李氏朝鮮の建国から大韓帝国に至るまで、李王家は朝鮮半島の歴史に深く関わってきました。しかし、1910年に韓国が日本に併合されると、李王家はその地位を失い、日本の王公族としての新たな人生を歩むことになりました。

出自と先祖の履歴

李王家の先祖は全州李氏とされ、その歴史は15世紀の歌集や史料に記されています。『太祖実録』では、李成桂の高祖父である李安社が地方官との関係悪化により全州を離れ、地域を転々としたことが記されています。しかし、これらの記述には加筆や編集が見られるため、全てが事実とは言い切れません。李王家の実際の出自については不明な点も多く、一説には女真族やモンゴル軍閥と何らかの関係があったとも考えられています。

李成桂と国王への道

高麗時代末期、豪族であった李成桂は1363年に紅巾軍を破り、元軍を朝鮮から追放しました。こうした功績を背景に、彼は1388年に政権を掌握し、1392年には国王に即位します。この際、彼は親明政策に転換し、土地制度改革を実施して改革派官僚の支持を得ました。翌年、国号を「朝鮮」と定め、漢陽を都としました。

王権の確立と王朝の発展

李王家の支配下、特に第3代国王太宗の時代までには王権が安定しました。その後、世宗王の時代には国家が繁栄し、経国大典などの重要書籍が編纂され、ハングルの制定も行われました。この時期、朝鮮の領土も大きく拡大しました。しかし、1592年から1598年にかけての日本の侵略、いわゆる文禄・慶長の役が国に大きな打撃を与えました。

衰退と併合

その後の政局は波乱の連続で、17世紀には清の侵攻により朝鮮は新たな宗主国となりました。19世紀末の列強による圧力と日[[清戦争]]を経て、1897年に高宗は大韓帝国皇帝に即位しますが、日本の影響力はますます強まりました。1910年、韓国併合ニ関スル条約が締結され、李王家はその実権を完全に失うことになります。

日本での王公族

併合後、李王家は日本において王公族として新たな生活を送ります。李垠は日本で皇族の梨本宮との政略結婚を果たすなど、一定の地位は保たれていましたが、1930年代には王公族としての立場が明文化されることになると、従来の皇族と異なる存在として扱われるようになりました。このため、彼らは日本の華族とは異なる扱いを受けることが多く、韓国での政治的な位置付けが変わっていく過程がありました。

戦後の李王家

第二次世界大戦後、1947年には日本国憲法により王公族としての地位が失われ、李王家は無国籍者となります。特に高宗の孫である李垠はその後、韓国への帰国を試みますが、政治的な理由から冷遇されます。最終的に1963年、ようやく韓国国籍を取得し、李垠は韓国で社会福祉活動を行い引き続き高い評価を得ることとなりました。

結論

李王家の歴史は、朝鮮王朝の始まりから日本による併合、そして戦後の混乱に至るまで、さまざまな変遷を経てきました。彼らの子孫は現在も、李氏の名を引き継ぎ、新たな歴史を刻んでいます。李王家の歴史は、朝鮮半島の政治的変遷を色濃く映し出す一側面でもあり、今後の研究が期待されています。

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