李聖五

李聖五（り せいご）

李聖五は中華民国の外交官、政治家、法学者として知られる人物である。彼の本名は福善であるが、一般的には聖五という字で知られている。彼は汪兆銘（汪精衛）の南京国民政府において重要な役職を務めたことで名が知られるようになった。

学歴と初期のキャリア

李聖五は北京大学を卒業した後、日本に留学し、東京帝国大学大学院法学部で研究員として活動する。更にイギリスにも渡って、オックスフォード大学から法学士の学位を取得する。その後、彼は帰国し、曁南大学や復旦大学で教授として教えることになる。また、上海商務印書館の編輯や南京の『中央日報』の主編を務めるといったメディア界でも活躍した。

政治活動の開始

1932年（民国21年）には、国民政府の行政院参事に就任し、次の年には外交部総務司司長や中央政治会議特務秘書、さらには『東方雑誌』の総編集を兼任することとなる。1935年（民国24年）には香港の国際問題研究所で研究員としての役割も果たし、この時に汪兆銘と親しくなる。このように、李聖五は政府内外でその名を高め、さまざまな役職を歴任する。

南京国民政府における役割

1937年（民国26年）6月には外交部顧問に転任し、1940年（民国29年）には汪兆銘の南京国民政府に加わり、司法行政部部長や中央政治委員会指定委員として重要な役割を果たした。6月には憲政実施委員会の常務委員に任命され、翌年には清郷委員会委員に就任。また、教育部部長や社会行動指導委員会常務委員、駐ドイツ大使に任命されるなど、多岐にわたる政治活動を行っていく。1942年にはドイツ大使に加えデンマーク公使も兼務し、運動促進委員会の常務委員として現政権の政策推進にも関与した。

逮捕とその後の人生

1945年（民国34年）4月に外交部部長を兼任し、文物保管委員会や治外法権撤廃委員会の委員長にも任じられるも、戦後の混乱の中で日本の敗北を受けて資金が枯渇し、9月26日に蔣介石の国民政府によって逮捕され、南京での収監生活が始まった。1947年には懲役15年の判決を受けるが、その後、香港に移り隠居生活を送りつつ、香港中文大学で法学を教える。

1979年以降は何度か帰郷し、1984年には黒竜江省のジャムス市に移り住んだ長女のもとで過ごすことになる。

生涯の終焉

1985年に李聖五は87歳でこの世を去った。彼の人生は、激動の時代にあった中華民国における政治と教育の変遷を映し出すものであった。彼の業績は今なお、多くの文献で語り継がれ、評価されている。

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