李肯鍾

李 肯鍾（イ・グンジョン）

李 肯鍾（1895年または1897年7月23日 - 1951年1月24日）は、朝鮮における初の司書として知られる重要な人物です。彼は日本統治時代とその後の大韓民国で著名な実業家、ジャーナリスト、政治家としても活躍しました。彼の号は心崗（シムガン）であり、日本では宮村 薫という名前でも知られています。また、韓国の図書館の発展にも大きな貢献をした存在であり、彼のおじには図書館の草分け的存在の李範昇がいます。

経歴の概要

李肯鍾は、忠清南道燕岐郡（現在の世宗特別自治市）で生まれました。彼は1910年に水下洞公立普通学校（現在のソウル清渓初等学校）を卒業し、その後、京城高等普通学校本科（現・京畿高等学校）を経て、1917年には京城専修学校（現在のソウル大学校法科大学）を卒業しました。この若き日に、彼は法律に興味を持つようになり、1917年5月から10月まで大邱地方法院の金泉支庁で書記および通訳として働いていました。

その後、1918年から1920年までの間に日本の明治大学で法律を学び、その後アメリカに渡ります。1925年にコロンビア大学で経済学を専攻し、修士号を取得しました。

帰国後の1926年から1931年まで、京城図書館鐘路分館（現在の鐘路図書館）で館長の役職に就きます。彼は1929年までは嘱託として、1930年からは正式な司書として活動を始めました。また、1928年から1934年には京城法学専門学校の嘱託教員も務め、教育者としての顔も持つことになりました。

実業家・ジャーナリストとしての活動

1934年には和信百貨店に入社し、1936年から和信連鎖店株式会社の監査役に就任しました。その後、新聞界にも足を踏み入れ、1936年から1938年まで朝鮮商工新聞の社長および主筆を務めました。彼はまた、1937年には京城軍事後援連盟に参加し、1938年には朝鮮春秋会のメンバーとなりました。

1938年には国民精神総動員朝鮮連盟の発足に関与し、国民精神総動員京城連盟の相談役を務めるなど、当時の社会情勢に積極的に関わりました。1940年には国民総力朝鮮連盟の評議員、1941年には朝鮮臨戦報国団の発起人としてさらに広がる役割を果たしました。

政治家としての道

解放後の李肯鍾は、大韓金融組合連合会の参事、商工日報社長、大韓金融組合連合会会長、朝鮮商工会議所常任議員、協同生命保険株式会社社長などの重要な地位に就任しました。1950年度の第2代総選挙では無所属で燕岐郡選挙区から出馬し当選、国会議員として活動を開始しました。彼はしかし、1951年1月24日に朝鮮戦争の影響で亡くなったため、任期中にその生涯を終えることとなりました。

死後の評価

李肯鍾の死後、彼の業績と親日的な行動が評価され、『親日人名辞典』に収録されました。彼の生涯は、朝鮮の図書館史と財界、さらには政治における複雑な歴史の中で重要な一章を形成しています。

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