燕岐郡

燕岐郡の概要

燕岐郡（ヨンギぐん、えんきぐん）は大韓民国の忠清南道に曾て存在した郡です。この地域は、かつて百済の都であった熊津（現：公州市）に隣接し、百済時代から高麗、李氏朝鮮時代にかけての多くの歴史的遺跡が点在しています。特に、山岳にある城の遺跡、朝鮮時代の教育機関である郷教、センスを感じさせる仏教寺院など、多くの史跡が存在します。燕岐郡の中心地は鳥致院邑です。

地理的特徴

燕岐郡は忠清南道の東北部に位置します。北側は忠清南道の天安市、西側は公州市、東側は忠清北道清原郡、南側は大田広域市と接しています。地形は北部に雲住山や五峰山といった低い山々が広がり、南部には錦江が流れています。この錦江沿いの肥沃な地は、農業に適しています。

行政区域は郡庁所在地である鳥致院邑を中心に、東面、西面、南面、錦南面、全義面、全東面、小井面の7つの地区に分かれています。

歴史的背景

百済の時代には、燕岐周辺は豆仍只（トゥインジ）県という名称で呼ばれていました。この地域はその後、統一新羅により金池県と燕岐県と改名され、さらに高麗時代には金池県が全義県となりました。李氏朝鮮時代には、これらの県は統合や改名、分離を経て、1895年に現代の形に近づくこととなります。この年、県は郡に昇格し、燕岐郡と全義郡が設置されました。

1909年には、両郡と周辺の村が新しい燕岐郡として統合され、1911年には北面の燕岐里に代わって、当時の北面である鳥致院里に郡庁が置かれました。1920年には北面が分割され、大部分が西面に統合され、残りが独立した鳥致院面となります。鳥致院は京釜線の駅もあり、急速に発展しました。1931年には邑に昇格し、1995年には新たに小井面が設置されました。

さらに、1914年の郡面併合により、燕岐郡は全義郡や公州郡の一部を含む形で再編成され、7つの面が成立しました。その後、西面のいくつかの区域が鳥致院邑に編入されたり、また面の名称や配置も変遷していくことになりました。最終的には2012年に世宗特別自治市が設立され、燕岐郡はその一部として廃止されました。

行政機関

燕岐郡に関する行政機関には、燕岐警察署や燕岐消防署があります。また、交通網も整っており、京釜線と忠北線が交差する鳥致院駅を中心に、全義駅や小井里駅があります。

まとめ

燕岐郡はその豊富な歴史的背景と地理的な魅力から、地域の文化を深く理解するための重要な場所です。過去の百済文化が色濃く残るこの地は、訪問者にとって、歴史探訪の場として非常に魅力的です。

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