李舜臣級駆逐艦

忠武公李舜臣級駆逐艦について

忠武公李舜臣級駆逐艦（CHANT-MUGONG YI SUN-SIN CLASS）は、大韓民国海軍が運用する駆逐艦のクラスであり、初めての韓国製防空艦としても知られています。この艦級はKDX-IIという計画名の下で開発され、建造単価は約3億8,500万ドルに達しています。

1. 来歴

1970年代から80年代にかけて、韓国海軍はフレッチャー級駆逐艦やアレン・M・サムナー級などを導入して艦隊運用を始めました。特に1970年代には、朴正煕政権による国防力の強化計画に基づき、自国製の戦闘艦を建造する事業が始まりました。その中で、忠武公李舜臣級駆逐艦の設計は、1995年まで海軍による概念設計が行われた後、1996年には現代重工業と基本設計契約が結ばれました。1999年には大宇造船海洋が詳細設計及び建造契約を獲得し、最終的に1998年に3隻の建造が正式に認可されました。

2. 設計

船体

忠武公李舜臣級駆逐艦は、外洋作戦能力を向上させる設計が求められ、KDX-1型と比較して1,200トンの大型化を実現しました。幅広の船型を採用し、安定性を高める改良がなされています。さらに、ステルス性の向上にも配慮され、レーダー反射断面積を80-90%減少させることに成功しています。

機関

機関は、KDX-1と同様にディーゼルエンジンとガスタービンエンジンを組み合わせたCODOG方式を採用しており、電源系統も800キロワットのディーゼル発電機を4基搭載し、合計3,200キロワットの出力を確保しています。特に、韓国海軍として初めて弾性マウントを導入し、振動や水中音の減少を図っています。

3. 装備

C4ISR

戦術情報処理装置は、KDX-1のシステムを基に開発されたKDCOM-IIが搭載されています。これはSM-2ミサイルや対潜戦用コンソールが追加されたもので、他の艦艇とのデータリンクも強化されています。認識された点として、レーダーはアメリカ製と国産の併用がされており、各種の戦術情報を統合的に処理できる体制が整っています。

武器システム

防空能力の強化が図られており、32セルのMk-41 VLSにSM-2MR艦隊防空ミサイルを搭載。さらに、近接防御用には新たにRIM-116 RAMシステムを採用し、攻撃に対する対処能力が向上しています。対潜戦能力も強化され、国産の魚雷やミサイルの装備が行われています。特に、韓国海軍初の対潜ミサイル装備となる巡航ミサイルの導入は外洋での作戦能力を大いに向上させました。

4. 運用史

運用開始から10年未満で、部品などの共食い整備が繰り返されている報告がありますが、それでも忠武公李舜臣級は朝鮮半島の安全保障において重要な役割を果たしています。保有する艦の一部は常に海外派遣され、国際的な任務にも参加し続けています。文武大王艦での事故や国際的なイベントでの参加が話題となることもあります。

忠武公李舜臣級駆逐艦はその革新的な設計と強化された装備により、韓国海軍の骨格を支える重要な艦級です。今後もその運用に注目が集まっていくことでしょう。

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