李鍾元

李 鍾元（イ・ジョンウォン）について

李 鍾元（い しょうげん、Lee Jong Won）は、1953年8月10日に生まれた在日韓国人の著名な政治学者です。彼は主に国際政治学を専門としており、早稲田大学名誉教授や立教大学名誉教授の肩書を持っています。彼の研究は、冷戦期の東アジアの国際関係に焦点を当てており、特にアメリカのアジア政策や地域主義についての洞察を提供しています。

学歴と経歴

李は韓国の大邱広域市で生まれ、1974年にソウル大学校工学部を中退した後、1982年に日本に来ました。彼は1984年に国際基督教大学で学士号を取得し、東京大学大学院法学政治学研究科で修士課程を修了しています。その後、法学博士の学位も取得しました。彼は早稲田大学の大学院アジア太平洋研究科の教授として長年の教職を経て、2024年3月までその職にありました。また、北米のプリンストン大学での客員研究員としての経験も持ち、朝日新聞アジアネットワークの客員研究員でもあります。

研究分野

李の研究は、主に冷戦期の東アジアにおける国際関係に関心があり、特に「戦後アジアにおける米国の『地域統合』構想と韓日関係」をテーマに助手論文を提出しています。彼は、アメリカのアジア政策や地域主義に関する深い知見を持ち、現代の大韓民国政治や戦後の日本・アジアの関係史についても広範な研究を行っています。また、彼は「現在の東アジアでは冷戦が終わっていない」という視点から、地域内の国々と日本・アメリカとの関連性を分析する議論を展開しています。

受賞歴

李はその研究成果に対して数々の賞を受賞しています。1996年には、著書『東アジア冷戦と韓米日関係』によって第13回大平正芳記念賞を受賞し、さらにアメリカ学会・清水博賞や米国歴史家協議会外国語著作賞も受賞しました。これらの受賞歴は、彼の研究が国際的な評価を得ていることを示しています。

著書

李の著作は多岐にわたり、彼の研究テーマを反映したものが多くあります。彼の著書には、

• - 『東アジア冷戦と韓米日関係』 (東京大学出版会, 1996年)
• - 共編著『日朝交渉――課題と展望』 (岩波書店, 2003年)
• - 『日本の国際政治学（4）歴史の中の国際政治』 (有斐閣, 2009年)
• - 『戦後日韓関係史』 (有斐閣アルマ, 2017年)
• - などがあり、特に彼の著書は国際政治の理解を深めるための重要な資料とされています。

引き続き、李鍾元の研究は、日本とアジアの関係を理解する上で不可欠な視点を提供しており、学界や実務の世界においてその功績が広く認識されています。

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