李隆

李隆（り りゅう）

李隆は、明代の軍人であり、襄城伯の爵位を世襲した人物です。字は彦平といい、本貫は和州にありました。洪武25年（1392年）に生まれ、正統12年10月25日（1447年12月2日）に亡くなりました。

生涯

李隆は、李濬の子として生まれました。15歳になった永楽4年（1406年）9月、父の爵位である襄城伯を継ぎました。彼は体格が雄偉であり、軍を率いる才能に長けていたと伝えられています。

永楽帝の漠北遠征には度々従軍し、その戦いぶりは目覚ましいものでした。奇策を用いて敵を翻弄し、その功績を永楽帝から賞賛されました。永楽帝が北京に都を移すと、李隆は南京の守りを任されました。

永楽22年（1424年）に洪熙帝が即位すると、李隆は山海関への派遣を命じられましたが、間もなく南京に戻り、再び留守を任されました。李隆は学問を好み、読書に励み、文章を良くしました。また、議論を好み、清廉で慎重な人物であり、法律を遵守し、士大夫を敬愛して礼を尽くしたと言われています。

南京に滞在すること18年の間に、200通を超える皇帝からの璽書（じしょ）を賜りました。李隆が北京に召還される際には、南京の民が別れを惜しみ、江上で涙を流して見送ったという逸話が残っています。

正統5年（1440年）には、入朝して禁軍を統率するようになりました。正統11年（1446年）には、大同の辺境を巡察し、その功績を認められて正統帝から宝刀を授けられました。任務を終えて帰還しましたが、その巡察において一人も殺すことはありませんでした。李隆は正統12年（1447年）10月にこの世を去りました。

子女

李隆には3人の息子がいました。

李珍（り ちん）: 長男であり、後を継ぎました。しかし、土木の変で戦死したため、侯位を追贈され、悼僖（とうき）という諡号が贈られました。男子がいなかったため、李瑾が後を継ぐことになりました。
李璉（り れん）: 次男でありましたが、容貌が醜かったため、後継者となることはできませんでした。
李瑾（り きん）: 三男であり、兄の李珍が死去した後に、後を継ぎました。

参考資料

『明史』巻146 列伝第34

李隆は、卓越した軍事能力を持ちながらも、学問を好み、民を慈しんだ名将であったと言えるでしょう。その清廉な人柄は、多くの人々に慕われ、後世にまで語り継がれています。

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