李濬

李濬（り しゅん）は、生年は不明ですが、明朝の永楽3年11月6日（1405年11月27日）に亡くなった軍人です。彼の本貫は和州にあり、父の李旺が務めていた燕山左護衛副千戸の官位を継承しました。

建文元年（1399年）、靖難の変が勃発すると、李濬は燕王朱棣の挙兵に深く関与し、その初期段階で重要な役割を果たしました。彼は朱棣に従い、九門を奪取する作戦に参加し、その後も薊州や永平で数千人の兵士を募集し、軍勢を拡大しました。朱棣の軍に従って、耿炳文の軍を真定で破り、大寧を占領するなど、重要な戦いで活躍しました。

特に鄭村壩の戦いでは、李濬の勇猛さが際立っています。彼は精鋭の騎兵隊を率いて敵陣に果敢に突入し、味方を鼓舞しました。味方の兵士たちは彼の突撃に呼応し、勢いに乗って大勝を収めることができました。また、山東省での転戦では、常に先鋒を務め、その武勇を示しました。

建文4年（1402年）、小河での戦いでは、李濬は敵軍と不意に遭遇しました。彼は自ら決死隊を率いて河橋を破壊し、敵軍が川を渡れないようにしました。その結果、朱棣の本隊が到着するまで敵軍を足止めし、最終的には敵軍を撃破しました。これらの戦功が認められ、李濬は都指揮使に昇進し、襄城伯の爵位を与えられ、1000石の禄を賜りました。さらに、指揮同知の位を世襲する権利も得ました。

永楽元年（1403年）には、江西省に駐屯しました。永新県で反乱が発生すると、李濬は反乱の首謀者を捕らえて処刑し、治安を回復させました。その後、南京に召還されています。

李濬は永楽3年11月戊戌（1405年11月27日）に亡くなりました。彼の死後、息子の李隆が後を継ぎました。

李濬は、靖難の変において燕王朱棣を支え、数々の戦いでその武勇を発揮した武将でした。彼の勇猛果敢な行動は、朱棣の勝利に大きく貢献し、明朝初期の歴史において重要な役割を果たしました。彼の戦歴は、『明史』に詳細に記録されており、後世に語り継がれています。

李濬の活躍は、明朝初期の軍事史を語る上で欠かせない要素であり、彼の果敢な行動と戦略的な判断は、後世の軍人たちにとっても模範となるものでしょう。彼はその生涯を通じて、明朝の安定と発展に貢献し、その名は歴史に刻まれています。

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