村上勇

村上 勇（むらかみ いさむ）

村上勇（1902年4月7日 - 1991年1月28日）は、日本の政治界において著名な政治家であり、自由民主党の衆議院議員として長らく活躍しました。彼はまた、元参議院議員の村上春蔵の実弟であり、家族にも影響力のある人物が揃っています。長男の禎は豊和工業の会長、次男の宏はフジテレビのスポーツ部門の部長を務めています。

出生と早期の経歴

村上は大分県南海部郡の大入島村（現在は佐伯市）で生まれ、土建業を営む村上袈裟松の長男として家庭に育ちました。1918年に早稲田工手学校（現在の早稲田大学芸術学校）を卒業後、飛島組（現・飛島建設）に勤務し、1944年には村上組の後継会社である「大和土建」の社長に就任しました。

政治家としての活動

1946年には第22回[[衆議院議員総選挙]]において日本自由党から旧大分1区の候補者として出馬し、見事当選。以降、彼は14回もの当選を果たし、その間に多くの著名な政治家と同じ時期に当選を果たしています。彼は当初、大野伴睦に対して好意的ではありませんでしたが、一転して彼の支持者となりました。特に、大野が昭和電工事件で投獄された際には、共に慰めに訪れるなどの深い友好関係を築きました。

村上はその後、第3次鳩山一郎内閣で郵政大臣、第2次岸改造内閣で建設大臣を歴任し、政治的視野を広げました。1972年に保守合同が成立し自由民主党が結党されると、その活動は更に重要なものとなりました。1964年に大野が亡くなると、彼は派閥を引き継ぎ、一陽会（村上派）を設立しました。

1971年には、中川一郎とともに水田派との合同を図り、村上派の基盤を強化しました。1974年には三木内閣で二度目の郵政大臣に任命されましたが、政治活動を続ける中で、1980年の第35回[[衆議院議員総選挙]]では78歳という高齢ながら再び当選し、その後1983年に引退を表明しました。

引退後と最晩年

1991年1月28日、村上は88歳の高齢でこの世を去りました。彼の死去によって、彼が築いた政治的影響力は息子の衛藤征士郎に引き継がれました。村上勇の功績は、政治家としての活動だけにとどまらず、彼の家族にも影響を与え、その血筋は今なお日本の政治に影響を及ぼしています。

エピソード

彼の政治キャリアには多くの興味深いエピソードが存在しています。特に、大野派分裂の際には、当時の読売新聞の政治部記者で大野に近しい存在であった渡邉恒雄が村上を嫌うあまり、村上派への政治献金を停止し、船田派を支持する要請をしたことがあります。この出来事は村上派にとって厳しい局面をもたらし、資金的な支援が困難になったことから、政治的な環境を変化させる要因となりました。

著作

村上勇はその経験をもとに『激動三十五年の回想』を著し、彼の政治活動に関する洞察を提供しています。この著作は彼の人生の中での重要な出来事や思考を振り返る貴重な資料となっています。

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