村上春蔵

村上 春蔵（むらかみ はるぞう）

村上春蔵は、1905年4月30日に大分県南海部郡大入島村で生まれ、1995年4月22日に亡くなった昭和期の著名な実業家であり政治家です。彼は2期にわたり参議院議員を務め、多方面での活動を展開しました。

経歴

彼は村上袈裟松の息子として誕生し、父親の業務の影響で家族は朝鮮に移住しました。そこで京城簡易商業学校を卒業後、家業の土木請負業に従事しました。彼は国内や朝鮮、満洲において数多くの工事を請け負い、1933年には「村上組」を設立して常務に就任しました。

第二次世界大戦後、春蔵は朝鮮から帰国し、別府の白雲山荘を買収しました。そして、戦後の復興に政治が必要だと考え、兄である村上勇と共に鳩山一郎に相談の上、1946年に日本自由党大分県支部を立ち上げました。村上建設の社長としても活動し、兄の政治活動を支えました。

彼は政界での活動を希望していましたが、兄の勇が事業への影響を懸念していたため、当初はしばしば意見が合いませんでした。しかし、1959年の第5回参議院議員通常選挙では、自由民主党が春蔵を候補として擁立し、結果として当選を果たしました。1965年にも再選を果たし、合計で2期にわたる参議院議員としての活動を行いました。

その在任期間中、春蔵は第3次池田内閣と第1次佐藤内閣において通商産業政務次官を務め、さらに参議院商工委員長なども担当しました。体調不良により第9回通常選挙には出馬せずに引退し、その後は故郷で養生生活を送りました。引退後も自民党大分県支部の常任顧問など役割を果たしました。1975年の春には勲二等旭日重光章を受章しました。

逸話

彼の人生には数々のエピソードがあります。特に注目されるのは、1953年の西日本水害における彼の勇気ある行動です。夜明発電所の工事を指導していた際、大雨によって旅館が流失寸前の状態となりました。春蔵は同席していた門屋盛一社長と共に危険を顧みず、濁流に飛び込みました。見事に岸に辿り着くことができましたが、この経験が兄の勇の春蔵の政界進出を認める大きな要因となったと言われています。

家族

春蔵には兄として衆議院議員を務めた村上勇がいます。彼らは兄弟として互いの活動を支える存在でありました。

結末

村上春蔵は1995年4月22日に89歳でこの世を去りました。その死去に伴い、正四位に叙される事となりました。彼の生涯は、戦後の混乱の中での復興と政治に対する情熱を象徴するものといえるでしょう。

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