村田一誠

村田一誠：騎手から調教師へ、新たな道を切り開く

村田一誠氏は、1978年生まれのJRA美浦トレーニングセンター所属調教師であり、元騎手です。新潟県出身で、幼少期は競馬とは無縁の生活を送っていましたが、いとこの勧めで騎手を志すようになりました。岡部幸雄騎手とトウカイテイオーの息の合った走りを見て、強い憧れを抱いたことがきっかけだったと言われています。

1997年、美浦・松永勇厩舎から騎手としてデビュー。同期には、秋山真一郎氏、武幸四郎氏、勝浦正樹氏など、後に著名な騎手となるメンバーが名を連ねていました。デビュー当初は9勝とやや低調でしたが、翌年以降は毎年2桁勝利を記録するなど、着実に実績を重ねていきました。

騎手生活3年目となる1999年には、ラジオたんぱ賞・ヤマニンフューシャで重賞初騎乗、朝日杯3歳ステークス・グラスベンチャーでGI初騎乗を果たしました。2001年にはNHKマイルカップでグラスエイコウオーに騎乗し、2着に好走するなど、実力騎手としての地位を確立しつつありました。

地方競馬の重賞競走であるエーデルワイス賞をトーセンリリーで制するなど、活躍の幅を広げていましたが、JRA重賞競走での勝利はなかなか訪れませんでした。しかし、2007年、デビュー11年目にして念願のJRA重賞初勝利を根岸ステークスでビッググラスに騎乗して挙げます。同年にはアイビスサマーダッシュをサンアディユ、アルゼンチン共和国杯をアドマイヤジュピタで制覇するなど、3つの重賞タイトルを獲得。一気に注目を集めることになります。

その後も、ヴィーヴァヴォドカでフラワーカップを制するなど、人気薄の馬を勝利に導く「穴党」として知られるようになりました。2011年には単勝万馬券を獲得するなど、競馬ファンの心を掴む騎乗を披露し続けました。2001年には100勝、2004年には200勝、2009年には300勝を達成。長年に渡って第一線で活躍し、通算300勝という輝かしい記録を残しました。

2021年、6度目の挑戦で調教師免許試験に合格。長年の騎手生活にピリオドを打ち、2020年12月31日をもって騎手を引退し、翌2021年1月1日より調教師へと転身しました。しばらくは技術調教師として経験を積み、その後、藤原辰雄調教師の勇退に伴い、2021年12月21日付で14馬房の厩舎を開業しました。

調教師としては、2022年3月13日、中山競馬第12競走でリワードマレンゴを勝利に導き、開業35戦目で初勝利を挙げました。

騎手時代には、登録名を「イッセー」にしようと考えたものの却下されたというエピソードや、新潟競馬場の芝直線1000mを得意としていたことなど、様々なエピソードも残されています。調教師としても、その経験と才能を活かし、今後の活躍が期待されます。 数々の名馬に騎乗し、数々の勝利を手にしてきた村田一誠氏。そのキャリアは、競馬ファンにとって忘れがたいものとなるでしょう。そして、新たなステージで、どのような活躍を見せてくれるのか、注目が集まります。

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