村田重治

村田重治の生涯

村田重治（むらた しげはる）は、1909年4月9日、長崎県南高来郡島原村新馬場に生まれました。彼の家系は士族に属し、祖父は戊辰戦争に参加した経歴を持っています。重治は幼少期から学業成績が優秀でありながら、控えめな性格が災いして目立たない存在でした。しかし、相撲と剣道においてはその実力を発揮し、学校では「ガジ」という渾名で呼ばれていました。この渾名は、彼の体型ががっしりとしていたことに由来すると言われています。

1926年11月、彼は海軍兵学校58期に入校し、同級生には後にエースパイロットとなる江草隆繁や中島正などがいました。兵学校での彼は「ブツ」と呼ばれ、この渾名の意味は今では定かではありませんが、特に踏み込みやすい理由があったようです。1930年に兵学校を卒業後、海軍少尉に任官され、その後様々な任務に就きました。

日中戦争における活躍

1937年7月に支那事変が勃発すると、重治は十三航空隊の分隊長として上海に派遣され、その後常州へと進出しました。同年12月12日、彼は同期の奥宮正武と共にアメリカの河川砲艦パナイ号を攻撃し、これが後に米艦であることが判明しましたが、当時日本側はその攻撃を誤認していました。

彼は日中戦争における数々の戦闘に参加し、特に漢口攻撃や空母「赤城」の分隊長としての役割が注目されました。1939年には横須賀海軍航空隊に赴任し、その後も将来的に重要な役割を担うことになります。

太平洋戦争の戦歴

1941年に突入した太平洋戦争で、村田は真珠湾攻撃に参加し、艦攻隊として「ウエスト・ヴァージニア」や「オクラホマ」といった重要敵艦に攻撃を行いました。彼の技量は非常に高く、その後の海戦でも活躍を続けました。

しかし、1942年のミッドウェー海戦では、日本側の慢心やミスが重なり、重治も大破した空母「赤城」から辛くも生還しました。以降、彼は空母「翔鶴」の飛行隊長に就任し、さらなる戦闘を指揮していきます。

南太平洋海戦での最期

1942年10月26日、村田重治は南太平洋海戦に参加し、米空母「ホーネット」への肉薄攻撃を指導しました。その際、自ら搭乗した機が被弾し炎上、最終的に艦に突入し自爆しました。彼の死は軍に広く知られ、同年の1月には連合艦隊司令長官から戦死とその功績が布告されました。死後、村田は二階級特進で海軍大佐に昇進しました。享年は34歳でした。

村田重治の生涯は、日本の海軍史における勇敢な戦士の姿を象徴しており、その遺産は今も多くの人々に記憶されています。彼を描いた書籍や資料が後世に残されており、戦争の厳しさを伝える歴史の一部となっています。

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