杜錫珪

杜 錫珪の生涯と業績

杜 錫珪（と しゃくけい）は、清末から中華民国にかけて活躍した海軍軍人および政治家であり、その経歴は波乱に満ちていました。彼は北京政府において国務院総理を歴任し、日本との関係が緊迫する中で、海軍における重要な役割を果たしました。

生い立ちと海軍の道

杜は貧しい家庭に生まれましたが、兄が海軍軍人として活躍していた影響を受け、自らもその道を志しました。1902年には江南水師学堂を卒業し、翌年には戦艦「海天」の大副に任命されました。しかし、彼の海軍キャリアは一筋縄ではいきませんでした。特に「海天」が座礁した事件は、彼の心に深い影を落としました。この事故の際、杜は艦長に悪条件での航行をやめるように進言しましたが、聞き入れられずに残念な結果を招いてしまったのです。

武昌起義への参加

1911年、武昌起義が勃発した際、杜は清朝に忠誠を誓っていたものの、清軍の無秩序な振る舞いを目の当たりにし、反清に転向しました。彼は同士と共に、海軍内で革命派のための行動を始め、新たに出現した政権を支援していきました。この時期、杜は「海容」の管帯として前線での戦いにも参加し、革命派を支える重要な役割を担っていました。

政治家としての活動

1912年には袁世凱が大総統に就任し、杜は北京政府に合流します。彼は徐々に昇進し、閩江要塞司令と福建防軍司令代理を歴任。その後の二次革命では、海軍総長に従い、反革命派の鎮圧に寄与しましたが、護国戦争では反袁の立場をとりました。

直隷派としての功績

袁世凱の死後、杜は再び北京政府に復帰し、1917年に第2艦隊司令に昇進しました。第一次世界大戦中、彼は長江流域のドイツ商船を拿捕するなど顕著な功績を上げました。直隷派に所属し、呉佩孚の軍事活動を支援したことで、さらなる地位向上が実現しますが、派閥同士の争いに巻き込まれることもありました。

政権の変動と最後の活動

1925年、直隷派が復権すると、杜は海軍総長に起用され、政治的な権力を持つことに。しかし、奉天派の圧力の中で代理国務総理に任命されたものの、実権を握ることはできず、すぐに辞任しました。1927年には政界から退くことになりますが、その後も福州海軍学校校長などの役職を務めました。

晩年と死

政治から身を引いた後は、海軍関連の顧問や教育者として活動し、海外での知見をもとにした意見書の作成などに取り組みました。1933年12月28日、杜は上海で病により亡くなりました。享年60。彼の生涯は、近代中国の海軍と政治の変遷を映し出す貴重な一人となっています。

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