条約港

条約港（じょうやくこう）

条約港とは、不平等な条約によって定められた港のことを指し、しばしば「開港場」とも称されています。主に1842年の南京条約に基づいて、中国の清王朝等が開かれた港がこれに含まれ、日本や朝鮮などもこれに倣いました。

背景

中国では、南京条約以降、北京議定書や天津条約などによって、条約港の数は増えていきました。こうした港では、租界や外国人の居留地が設けられ、欧米列強の支配が色濃く見られるようになりました。一方で、条約港は近代化の流入を促す場所でもありました。日本の場合、1842年に幕府が外国船への供給を開始しましたが、アメリカからの圧力を受けて1853年には開国を余儀なくされました。

中国の条約港

中国には、多様な条約港が存在しました。江蘇省の上海や南京、鎮江、蘇州など、広東省の広州、福建省の福州や厦門、さらには山東省や河北省、遼寧省など、合計で多くの港が指定されました。これらの港は、不平等条約による支配の象徴であり、かつ日本との貿易の中継地としても機能しました。

日本の条約港

一方、日本では、アメリカとの間で締結された日米和親条約を契機に、下田と箱館（函館）が開港しました。特に、箱館は非常に戦略的な位置にあり、多くの外国商船が寄港しました。さらに、1858年に結ばれた日米修好通商条約によって、横浜、神奈川、新潟、兵庫（神戸）、長崎の五港が開港されることとなり、これを「開港五港」と称しました。

朝鮮の条約港

朝鮮もまた、1876年に締結された日朝修好条規によって、釜山などの港が開かれました。その後も、元山や仁川など、商取引の拡大に伴い新たな条約港が設けられ、多国籍の通商が行われました。

影響

条約港の設置は、当該国の経済活動に多大な影響を与えました。本来、日本は捕鯨の中継地として機能していましたが、時が経つにつれ、為替差益や金銀の輸出入が主要な動機に変わっていきました。また、条約港は近代的な政治、経済の変革への足掛かりともなり、様々な文化や技術が交流される場ともなりました。

結語

総じて、条約港は不平等な条約に基づく国際的な交流の場であり、各国における近代化や国際関係の変化を象徴する重要な存在でした。これにより形成された港は、現在の国際貿易や外交における基盤となり、今後の発展に寄与していくこととなりました。

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