東チャールキヤ朝

東チャールキヤ朝とは

東チャールキヤ朝は、7世紀から11世紀、あるいは13世紀にかけて、インド南東部のアーンドラ地方に存在したヒンドゥー王朝です。その首都はヴェーンギーに置かれました。

王朝の歴史は、バーダーミのチャールキヤ朝（前期チャールキヤ朝）の王、プラケーシン2世が、自身の弟であるヴィシュヌヴァルダナ1世をアーンドラ地方の支配者としたことから始まります。ヴィシュヌヴァルダナ1世は624年にヴェーンギーを首都として独立し、東チャールキヤ朝を築きました。

ラーシュトラクータ朝との対立

東チャールキヤ朝は、バーダーミのチャールキヤ朝を滅ぼした西部デカンのラーシュトラクータ朝と、長きにわたり対立しました。ラーシュトラクータ朝にとって、ヴェーンギーは東海岸への進出、そして南下するための重要な拠点であり、肥沃な穀倉地帯でもありました。このため、8世紀中頃から約2世紀にわたって、両王朝の間で激しい争いが繰り広げられました。

王朝の再興とチョーラ朝との関係

10世紀には、王族間の争いにより東チャールキヤ朝は一時中断しましたが、その後、チョーラ朝の偉大な王、ラージャラージャ1世の援助により、シャクティヴァルマン1世が王位を回復し、王朝は再興しました。この再興以降、東チャールキヤ王家はチョーラ朝と深い姻戚関係を結ぶことになります。シャクティヴァルマン1世の弟であるヴィマラーディティヤは、チョーラ朝のラージェーンドラ1世の妹クンダヴァーと結婚。さらに、その息子ラージャラージャ・ナレーンドラは、ラージェーンドラ1世の王女アマンガ・デーヴィーと結婚するなど、両王朝は通婚関係を深めました。

チョーラ朝は、東チャールキヤ朝との婚姻関係を通じて、北方への通路を確保しようとした意図がありました。

後期チャールキヤ朝との抗争

しかし、西部デカンの後期チャールキヤ朝（前期チャールキヤ朝の一族がラーシュトラクータ朝を倒して再興した王朝）も、東チャールキヤ朝と血縁関係にあったことから宗主権を主張し、両者は激しく争うことになりました。

チョーラ朝との統合

1070年、チョーラ朝の王位が空位になった際、ラージェーンドラ2世の娘婿であったクローットゥンガ1世がチョーラ王も兼任することになりました。この出来事により、東チャールキヤ王家はチョーラ朝と一体化し、1279年にチョーラ朝がパーンディヤ朝に滅ぼされるまで、その支配下に置かれることとなりました。

旧東チャールキヤ領はチョーラ朝の支配下に入りましたが、後期チャールキヤ朝も東チャールキヤ朝と同様に血縁関係があったため、この地の支配権をめぐり、その後も長い争いが続くこととなりました。

参考文献

「新版　世界各国史7　南アジア史」山川出版社　辛島　昇
「ブリタニカ国際百科事典」株式会社ティービーエス・ブリタニカ
「アジア歴史事典」（全10巻＋別巻）平凡社

関連項目

前期チャールキヤ朝

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