チョーラ朝

チョーラ朝：南インドの覇者

チョーラ朝は、9世紀から1[[3世紀]]にかけて南インドを支配したタミル系のヒンドゥー王朝です。その首都はタンジャーヴールとガンガイコンダチョーラプラムに置かれました。チョーラ朝という名前は、タミル古典文学にも登場しますが、一般的には、パッラヴァ朝の封臣であったヴィジャヤーラヤがタンジャーヴールに興した王朝を指します。

歴史

チョーラ朝の台頭と試練

チョーラ朝の創始者ヴィジャヤーラヤは、パッラヴァ朝の混乱に乗じて勢力を拡大し、846年頃にタンジャーヴールを奪取しました。その後、孫のアーディティヤ1世はパッラヴァ朝を滅ぼし、領土を併合しました。

次のバラーンタカ1世は、パーンディヤ朝を破り、その版図を併合しましたが、ラーシュトラクータ朝との戦いに敗れ、一時的に勢力を失いました。しかし、クリシュナ3世の死後、バラーンタカ2世の時代に失地を回復することができました。ウッタマ・チョーラの治世には、後期チャールキヤ朝の攻撃を受け、再び弱体化しました。

ラージャラージャ1世とラージェーンドラ1世の栄光

ウッタマ・チョーラの死後、ラージャラージャ1世が即位し、チョーラ朝は全盛期を迎えます。ラージャラージャ1世は、パーンディヤ朝、ケーララ、セイロンの勢力を破り、セイロンの北部を併合しました。また、東チャールキヤ朝を支援し、その宗主権を確立しました。さらに、アラブ商人に対抗するため海軍を派遣し、モルディブ諸島を征服しました。首都には、ブリハディーシュヴァラ寺院などの壮大な寺院を建設しました。

息子のラージェーンドラ1世は、ガンジス川流域への遠征やシュリーヴィジャヤ王国への海軍派遣を行い、チョーラ朝の領土を最大化しました。ラージェーンドラ1世の時代には、インド洋から中国に至るまでの制海権を握り、貿易の利益を独占しました。また、首都をガンガイコンダチョーラプラムに遷都しました。

東チャールキヤ朝との合体と後期チャールキヤ朝との争い

その後もチョーラ朝は版図を維持しましたが、1070年に王位が空位となると、東チャールキヤ王であったクローットゥンガ1世がチョーラ王を兼任し、両王朝は一体化しました。しかし、後期チャールキヤ朝との争いが起こり、一時的に支配権を奪われることもありました。クローットゥンガ1世は、内政に尽力し、王朝の安定に努めました。1077年には、宋へ大規模な通商使節を送っています。

チョーラ朝の衰退と滅亡

その後、チョーラ朝は徐々に衰退し、地方領主層が台頭しました。クローットゥンガ3世の時代には、パーンディヤ朝が復活し、チョーラ朝の領土が侵略されました。また、ホイサラ朝やカーカティーヤ朝も弱体化したチョーラ朝を攻撃しました。1279年、チョーラ朝はパーンディヤ朝との戦いに敗れ、首都を失い、滅亡しました。

統治機構・社会

チョーラ朝の王は強力な権威を持ち、大臣の会議や護衛兵を抱えていました。軍事面では、戦象部隊、騎兵部隊、歩兵部隊、そして強力な海軍を擁していました。海軍は、ラージェーンドラ1世の時代には、モルディブ諸島からスマトラ島付近までの海域を支配していました。

国内は、マンダラムと呼ばれる州に区分され、その下にバラナードゥ、コータム、ナードゥといった行政単位がありました。村落は、ブラフマデーヤ村落とそれ以外の村落に分けられ、それぞれサバイ、ウールと呼ばれる自治組織がありました。

ブラフマデーヤ村落は、地租を免除される代わりに、徴税や治安維持などの役割を担っていました。一般的な村落では、農民たちが土地を共同で耕作し、ウールの会議によって様々な取り決めが行われていました。チョーラ朝の社会は、カーストや職業による組織が社会を統合する機能を持っていました。

チョーラ朝の王たちは、交易を促進するために道路網を整備し、灌漑用水路を建設しました。また、地租を徴収するための検地が行われ、商人ギルドも存在しました。

チョーラ朝は、寺院建築をはじめとする文化的な遺産を数多く残しており、その歴史は南インドの歴史において重要な位置を占めています。

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