東レ・カーボンマジック

東レ・カーボンマジック株式会社：CFRP技術で未来を切り開く企業

東レ・カーボンマジック株式会社は、滋賀県米原市に本社を置く、炭素繊維強化プラスチック（CFRP）を専門とする企業です。CFRPを用いた製品の設計、解析、試作、製造を一貫して行うだけでなく、レーシングカーコンストラクターとしての顔も持ち合わせています。高い技術力と豊富な経験を活かし、自動車、航空宇宙、スポーツ用品など幅広い分野で、革新的な製品開発に貢献しています。

沿革：童夢カーボンマジックから東レグループへ

2001年、童夢カーボンマジックとして設立された同社は、当初からレーシングカー向けCFRP部品の製造に注力していました。2006年には滋賀県米原市に本社工場を建設し、タイにも量産拠点を設立。その後も着実に事業を拡大し、2012年には米原本社工場に第2工場を増設、2014年には第3工場を増設するなど、生産能力の強化に力を入れてきました。2013年には東レ株式会社の完全子会社となり、社名を東レ・カーボンマジック株式会社に変更。東レグループの一員として、更なる発展を遂げています。近年では、新たな事業展開として自転車業界への参入も果たしています。

主要製品：多様な分野へのCFRP技術展開

東レ・カーボンマジック株式会社は、長年にわたり培ってきたCFRP技術を活かし、多様な製品を開発・製造しています。創業当初から取り組んできたレーシングカー分野では、SUPER GTのGT500クラス用共通パーツ（モノコック、リアウイング、スキッドブロック）や、EVレーシングカーの日産・リーフ NISMO RC_02のモノコックなどを手がけています。また、自動車部品以外にも、航空機部品、ドローン部品、車椅子、さらには下町ボブスレーといった、幅広い分野へのCFRP部品の提供を行っています。これらの製品は、軽量性、高強度、高剛性といったCFRPの優れた特性を最大限に活かした設計となっています。

レーシングカーコンストラクター：FIA-F4車両の開発供給

東レ・カーボンマジック株式会社は、単なるCFRP部品サプライヤーにとどまらず、レーシングカーコンストラクターとしての活動も積極的に展開しています。2022年には、SUPER GTとFIA-F4を統括するGTアソシエイションより、2024年シーズンから導入されるFIA-F4の第2世代車両のシャシーサプライヤーに選定されました。この新型シャシー「MCS4-24」は、HaloなどのFIA安全基準に準拠し、従来モデルに比べて側壁の強度を10倍、耐貫通性能を1.7倍に向上させるなど、安全性の大幅な向上を実現しています。また、ホンダレーシングスクール鈴鹿のスクールカー「HRS-F24」の供給も開始するなど、モータースポーツ界への貢献を拡大しています。

自転車業界への参入：パリ五輪日本代表選手用自転車

近年では、自転車業界にも進出。2024年には、パリ五輪の自転車トラック競技日本代表選手が使用する高性能自転車「V-IZU」を開発しました。この自転車には、約100平方メートルのカーボン素材が使用され、1台あたりの価格は1985万円（税別）と、その高性能ぶりを反映した価格設定となっています。

まとめ

東レ・カーボンマジック株式会社は、CFRP技術を駆使し、レーシングカーから自転車まで幅広い分野で革新的な製品を生み出している企業です。高い技術力と豊富な経験、そして東レグループの一員としての強みを活かし、今後も更なる発展が期待されます。その技術は、モータースポーツの進化のみならず、私たちの生活を豊かにする様々な製品に貢献していくことでしょう。

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