東京ビルディング (丸の内)

東京ビルディングは、東京都千代田区丸の内二丁目に所在するオフィスビルです。その歴史は、旧東京中央郵便局と東京国際フォーラムの間にあった旧東京ビルヂングの建て替え計画から始まりました。この再開発プロジェクトでは、東京駅丸の内赤レンガ駅舎の未利用容積率を特定容積率指定（第1号）で移転することで、駅舎の復元保存に必要な資金を確保しました。また、総合設計の採用により、敷地に対して1,720%という高容積率を実現しています。さらに、エリア内のホテル計画であるザ・ペニンシュラ東京との間で非業務用途の入れ替えを行い、低層部には吹き抜けのある開放的な商業・パブリックエリアを設けました。

このプロジェクトには、三菱地所が中心となり、東日本旅客鉄道（JR東日本）、東京三菱銀行（現・三菱UFJ銀行）も参画しました。これは、特例容積率適用区域制度が適用されたこと、そして東京駅丸の内駅舎の未利用容積率の移転、さらに隣接する東京三菱銀行本店の敷地が同一区画として認定されたことが理由です。

地下1階から地上3階は、商業施設ゾーン「東京ビルTOKIA（トキア）」として展開しています。このエリアは地下道でJR東京駅丸の内地下改札口（京葉線）コンコース、東京国際フォーラム、丸の内パークビルディングに直結しており、交通の利便性にも優れています。

オフィスフロアでは、都心部のオフィスにおいてインフォーマルなコミュニケーションが重要であるという考えから、長さ114mの事務室内に3ヶ所、内部階段や吹き抜けが設けられています。これにより、オフィス内での交流が促進されるような空間設計がされています。

主な入居テナントとしては、三菱電機、三菱電機ビルソリューションズ、JPモルガン、KJRマネジメント、アズビル、田中貴金属工業などがあります。また、商業ゾーンの東京ビルTOKIAには、開業時に29店舗が進出しました。この商業施設の管理は三菱地所プロパティマネジメントが行っています。TOKIAという名称は、「TOKYO」、「TOKIMEKI」、「Amusement」の頭文字を組み合わせたもので、コピーライターの眞木準氏が考案しました。

旧東京ビルヂングは、もともと旧東京市との交換で三菱財閥が所有していた土地に建設されました。その後、大倉土木（現・大成建設）に譲渡されましたが、丸の内オフィス街の一元的な開発と、戦後の企業分割によって減少した賃貸物件を確保したい三菱地所と、不況の中で建設受注を増やしたい大成建設との間で交渉がまとまり、三菱が土地を買い戻して再開発に至りました。旧東京ビルヂングには、かつて日本航空（1950年代後半から1996年まで）、博報堂、チッソ、東海東京証券（旧東京証券）、三菱地所などが本社を置いていました。

東京ビルヂングの歴史を振り返ると、1950年6月28日に着工し、1951年9月22日に旧ビルの南半分が竣工しました。その後、1953年8月3日に北側増築工事が始まり、1955年3月31日に完了しました。さらに1971年12月1日には増築工事が開始され、1972年6月30日に竣工しました。そして、2003年10月16日には旧ビルが取り壊され、建て替え工事が始まり、2005年10月17日に現在の東京ビルディングが竣工しました。商業施設ゾーンである東京ビルTOKIAは、2005年11月11日にオープンしました。

この東京ビルディングは、丸の内エリアのランドマークとして、オフィス機能と商業機能を兼ね備えた複合施設として、多くの人々に利用されています。

参考文献として、三菱地所株式会社社史編纂室編の『丸の内百年のあゆみ 三菱地所社史』や、『新建築』2006年3月号の「東京ビルディング」の記事が挙げられます。

関連情報として、三菱地所オフィス情報の東京ビルディングのページや、東京ビルTOKIAの公式サイトも参照ください。

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