東京二期会

公益財団法人東京二期会について

公益財団法人東京二期会は、日本の文化及び芸術の振興に寄与することを目的とした公益財団法人です。そのルーツは1952年に結成された声楽家団体「二期会」に遡ります。1977年に法人として設立され、当初は財団法人二期会オペラ振興会という名称でした。

概要

声楽家団体としての二期会は1952年に誕生し、日本のオペラ界を牽引してきました。1977年には文部大臣の認可を受け、財団法人二期会オペラ振興会として法人化されました。2005年9月に声楽家団体としての二期会が解散したことに伴い、会員は財団法人東京二期会（同月に改称）に所属することになりました。2011年には内閣総理大臣の認定を受け、公益財団法人へと移行しました。

東京二期会は、北海道、名古屋、関西、中国、四国、大分など各地の二期会とルーツを共有しています。また、1955年からオペラ歌手を養成する「二期会オペラ研修所」を運営し、多くの優秀な人材を輩出してきました。

事業内容

東京二期会は、定款に基づき以下の事業を行っています。

オペラ公演の開催
演奏会、研修講座等の開催
声楽家、オペラ歌手、合唱団の育成
その他、目的達成に必要な事業

これらの活動を通じて、日本のオペラ文化の発展に大きく貢献しています。

沿革

東京二期会の歴史は、日本のオペラ史と深く結びついています。

1952年: 声楽家団体「二期会」創立
1953年: ヴェルディ『オテロ』が毎日音楽賞・第6回伊庭歌劇賞を受賞
1955年: オペラ研修所を開設し、人材育成を開始
1956年: ブリテン『ピーター・グライムズ』を日本初演し、毎日音楽賞を受賞
1967年: ワーグナー『パルジファル』を日本初演し、第9回毎日芸術賞を受賞
1968年: 初の海外公演をロサンゼルスで実施。清水脩『聟選び』を世界初演
1969年: ワーグナー『ラインの黄金』を日本初演し、芸術選奨文部大臣賞を受賞。ヨハン・シュトラウス『こうもり』、モーツァルト『魔笛』も芸術選奨文部大臣賞を受賞
1974年: グルック『オルフォイス』が毎日芸術賞を受賞
1977年: 「財団法人二期会オペラ振興会」設立
1980年: 第10回モービル音楽賞（洋楽部門）受賞、特定公益増進法人に認定
1995年: プッチーニの三部作が三菱信託音楽賞を受賞
2002年: ワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』をベルギー王立モネ劇場と提携公演
2003年: リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』をドイツ・ケルン市立歌劇場と共同制作。ベルク『ルル』がミュージック・ペンクラブ音楽賞（クラシック部門）を受賞
2005年: ヤナーチェク『イェヌーファ』が三菱信託音楽賞を受賞。財団法人東京二期会に登記変更
2006年: モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』が文化庁芸術祭音楽部門大賞を受賞
2010年: 公益認定を受け、公益財団法人東京二期会に登記変更
2012年: アリベルト・ライマン『メデア』が文化庁芸術祭賞（音楽部門）大賞を受賞
2013年: A.ライマン『リア』を日本初演

声楽会員組織「二期会」

声楽会員組織「二期会」は、東京二期会内部の一部署として機能しています。会員はオーディションを経て登録され、名誉会員、正会員、準会員で構成されています。2021年7月1日時点で、合計2,750名の会員が所属しています。会員のマネジメントは「株式会社二期会21」が行っています。

二期会合唱団

オペラ公演の際には、会員を中心とした合唱団が組織されます。メンバーは不定ですが、正会員、準会員、研修生の成績優秀者などから選抜されるため、非常に高い実力を誇ります。ヨーロッパの合唱団演出指導経験者からも「日本の合唱団は世界最高レベル」と高く評価されています。

二期会マイスタージンガー

不定期に編成されるダブル・カルテットで、リーダーは松本宰二（バリトン）。二期会アンサンブルユニットの中で最も歴史があり、メンバーは毎年選抜されます。いずれも二期会オペラ公演のタイトルロールを演じる実力のある歌手が揃っています。

クリスターレ☆

オーディションによって選抜された4人のソプラノ・ヴォーカル・ユニット。2010年1月6日にデビューしましたが、メンバーの留学や出産のため、2012年から活動を休止しています。

二期会デジタリリカ

2013年に結成されたユニットで、彌勒忠史（カウンターテナー）が率いています。オペラ歌手の声と最先端の電子楽器の音を融合させた新しい形態のステージを展開。メンバーは、全詠玉（ソプラノ）、高田正人（テノール）、井上雅人（バリトン）、彌勒忠史（カウンターテナー）、清水のりこ（エレクトーン）の5名です。

その他のユニット

千駄ヶ谷スタイル、The JADE、IL DEVUなど、他にも様々なユニットが活動しています。

東京二期会は、日本のオペラ界をリードする存在として、今後もその活動が期待されています。

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