東京航空計器

東京航空計器株式会社

東京航空計器株式会社は、東京都町田市に本社を置く、精密機器の製造会社です。航空機搭載品、車両速度計測装置、半導体製造装置などの開発、製造、販売、修理を主な事業としています。

沿革

同社の歴史は、1896年（明治29年）に和田嘉衛が東京都文京区小石川に設立した和田計器製作所に始まります。これが日本初の計器製造会社でした。その後、1902年（明治35年）に合名会社東京計器製作所を設立し、1917年（大正6年）には株式会社東京計器製作所へと改組しました。

同年7月には、光学部門を分離独立させ、日本光学工業株式会社（現在のニコン）を設立しました。1937年（昭和12年）には航空部門を分離し、川崎市木月に東京航空計器株式会社を設立しました。この頃から、航空機用定針儀、水平儀、旋回計、昇降計、磁気コンパス、自動操縦装置などの製造を開始しました。また、フライトシミュレータの先駆けであるリンクトレーナーの製造も手がけています。

1938年（昭和13年）には、社員教育施設として東京府北多摩郡狛江村に第2工場を建設しました。1941年（昭和16年）には、狛江工場が陸海軍共同管理工場に指定され、従業員16,000名を擁する国内最大の航空機用航法計器メーカーへと成長しました。戦時中の1944年（昭和19年）には、戦意高揚を目的とした「東京航空計器 狛江工場歌」と「必勝轉輪音頭（狛江工場音頭）」が制作されました。

1945年（昭和20年）には、川崎市木月住吉町と苅宿にあった本社工場がGHQに接収され、航空関係の製造が一時停止しました。狛江工場では、映写機、顕微鏡、カメラ用雲台などの民需品の製造を開始し、同時に本社を狛江工場に移転しました。

1952年（昭和27年）には、GHQによる航空関係の製造停止が解除され、製造と修理を再開しました。この頃から、模写電送装置の製造やトーシャファックス（謄写紙製版機）の開発も開始しました。1953年（昭和28年）には、米軍機搭載品のオーバーホールと修理を開始し、航空機関連事業を拡大しました。

1966年（昭和41年）には東京国際空港整備地区に地上飛行訓練所を開設し、1967年（昭和42年）には、製品の組立や部品製造を行う株式会社トーコー、そして米国に現地法人UNITED INSTRUMENTS,INC.を設立しました。

1972年（昭和47年）には株式会社トーコーエンジニヤリング、1977年（昭和52年）には株式会社上田トーコーを設立し、事業を拡大しました。1979年（昭和54年）には名古屋営業所を開設し、1980年（昭和55年）には東京国際空港整備地区に羽田メンテナンスセンタービルが竣工しました。

1982年（昭和57年）には、半導体ウェーハ重ね合わせ測定（検査）装置の製造を開始し、新たな分野へも進出しました。1983年（昭和58年）には、狛江に本社と工場を竣工しました。2010年（平成22年）には、本社と工場を狛江市から町田市へ移転しました。この頃より、陸上自衛隊10式戦車装備品の製造を開始しました。

近年では、2014年（平成26年）に一般社団法人日本UAS産業振興協議会の設立に参画し、2017年（平成29年）には産業用無人機UAVと無人システムを設計・製造・販売する株式会社TKKワークスを設立しました。

事業

同社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の次世代航空機研究開発プロジェクトにおいて、操縦バックアップシステムの開発を委託されています。

脚注・出典

(省略)

関連項目

光電製作所

外部リンク

公式サイト

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