東京街道 (宇都宮市)

東京街道：宇都宮から東京へ伸びる歴史の道

栃木県宇都宮市中心部には、古くから続く主要道路「東京街道」があります。正確には、国道4号（西原交差点以南）と国道119号（西原～池上町交差点間）の一部区間を指す通称で、古くから東京へと続く交通路として重要な役割を果たしてきました。

池上町交差点：東西南北の要衝

東京街道の起点となるのは、宇都宮市中心部の池上町交差点です。ここは、JR宇都宮駅と大谷方面を結ぶ東西方向の道路「大通り」と、東京街道が交差する交通の要衝となっています。交差点から南へ伸びる道路が東京街道で、かつては池上町交差点から大通りを通り、JR宇都宮駅方面へ向かう経路でした。

東京街道の変遷：旧道と新道

現在の国道4号は、宇都宮市街地を迂回するバイパス道路です。そのため、かつての東京街道（旧道）は、池上町交差点から南下し、栃木県南部、埼玉県東部を経て東京に至るルートでした。しかし、太平洋戦争中の宇都宮大空襲で市街地が壊滅的な被害を受けると、復興の中で現在の国道4号バイパスが建設されました。このバイパスは、旧道とは異なる経路で宇都宮市街地を避け、簗瀬を経由して市北東部へと抜けます。

一方、戦災復興時に建設された新道は、池上町交差点から直線的に南下するルートとなりました。この新道は、道なりに進むと東京に到達することから、そのまま「東京街道」と呼ばれるようになりました。現在の東京街道は、この新道と旧道の一部区間を合わせたものと考えることができます。

日光街道との関係：交差と並行

宇都宮市街地では、日光街道と東京街道は密接な関係にあります。一般的に日光街道は、国道4号宇都宮市以南と国道119号を指しますが、宇都宮市内では、国道119号の松原町交差点以北区間を指して日光街道と呼ばれています。

旧日光街道は、現在の国道4号を北上し、不動前交差点から「材木町通り」「清住町通り」を経て松原町交差点に至るルートでした。しかし、不動前交差点から池上町交差点に至る道路は、戦災復興時に建設された新道であり、旧日光街道の東側に並行して整備されました。この新道が東京街道の一部を構成する重要な道路です。

東京街道の現在：歴史と現代が交差する道

このように、東京街道は、歴史的な経緯と戦災復興という大きな出来事を背景に、現在の姿へと変貌を遂げてきました。池上町交差点という重要な地点を起点に、宇都宮市街地から東京へと続くこの道路は、現代においても交通の要衝として、そして歴史を伝える道として、重要な役割を担っています。周辺には、清住町通りや旭町の大いちょうといった、歴史的建造物や名所も点在しており、歴史と現代が交差する魅力的なエリアとなっています。

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