清住町通り

清住町通り：宇都宮の歴史と文化を繋ぐ道

清住町通りは、栃木県宇都宮市中心部の西側から北へ伸びる道路の愛称で、かつて日光街道の一部を形成していました。現在では、清住1丁目から松原3丁目までを指し、伝馬町交差点までは「本郷町通り」として区別されていますが、歴史的背景を踏まえ、ここでは一体として紹介します。

江戸時代から続く歴史

清住町通りの歴史は古く、江戸時代に整備された日光街道に遡ります。日光東照宮への参拝路として栄え、宇都宮宿（17番目の宿場）の本陣もこの付近にありました。当時、日光街道は材木町から伝馬町、そして清住町へと続き、宇都宮宿を抜け日光へと至る重要なルートでした。街道の整備は、江戸幕府による日光東照宮への参拝を円滑に行うための政策の一環として行われました。

戊辰戦争と宇都宮空襲を乗り越えて

明治維新期の宇都宮城下の戦いにおいて、清住町通り周辺にある桂林寺と延命院は官軍の反撃拠点となりました。長州兵や大垣兵がここに籠城し、旧幕府軍に向けて砲撃を行い、戦況を大きく変えたとされています。桂林寺は会津兵の攻撃を受けて焼失しましたが、清住町通り周辺は戦火を免れ、当時の面影を色濃く残しています。また、太平洋戦争中の宇都宮空襲においても、この地域は被害を免れました。これらの出来事は、清住町通りの歴史における重要な転換点となっています。

明治時代の国道指定と近代化

明治41年、宇都宮市に陸軍第14師団が移駐すると、明治44年には東京日本橋から第14師団までの区間が国道60号（後に国道29号）に指定されました。この国道は旧日光街道を踏襲しており、清住町通りもその一部となりました。国道の拡幅事業に伴い、松原町区間は拡幅されました。その後、太平洋戦争の影響で国道指定は解除されましたが、清住町通りは宇都宮の交通網における重要な役割を担い続けました。

現在も続く地域の中枢

現在、清住町通りは宇都宮地方裁判所、宇都宮拘置所、下野新聞本社、桂林寺、宇都宮大学附属学校園などの重要な施設が立ち並ぶ地域の中枢です。また、関東バスの路線バスも運行しており、地域住民の生活道路として重要な役割を担っています。2003年には「清住通りの古いまちなみ」として「うつのみや百景」にも選定され、その歴史的・文化的価値が改めて認識されました。

清住町通りの魅力

清住町通りは、江戸時代から続く歴史、戊辰戦争や宇都宮空襲を乗り越えた強靭さ、そして現在も地域社会を支える重要なインフラとしての役割を合わせ持つ、宇都宮を代表する道路です。その歴史的建造物や教育機関、そして人々の生活が織りなす風景は、現代に生きる私たちに宇都宮の歴史と文化を伝えてくれます。散策する際には、歴史の重みを感じながら、静かな佇まいの中に息づく活気を体感してみてください。

区間と周辺施設

清住町通りは清住1丁目から松原3丁目までを指し、伝馬町交差点から清住1丁目までは本郷町通りと呼ばれています。沿線には、宇都宮地方裁判所、宇都宮拘置所、延命院、下野新聞本社、桂林寺、宇都宮大学附属学校園、宇都宮市立星が丘中学校など、様々な施設が立地しています。また、国道119号、師範通り、中城街道、星が丘通り、松原通り、競輪場通りなど主要な道路と交差しています。

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