東京都交通局2500形電車

東京都交通局2500形電車

東京都交通局の2500形電車は、1958年に出現した東京都の路面電車車両です。この車両は、杉並線用の旧2000形を改良する形で製造され、12メートル級の中型低床ボギー車両として設計されました。製造には軽量化を重視し、バス車体工法を採用することで、製造コストの削減と耐用年数の短縮を図りました。

概要と設計

2500形は1,067mmの軌間に対応して設計され、1958年に8両（2501から2508）が東京都交通局の芝浦工場で製造されました。これにより、都電に残っていた木造の車両は全て撤去されました。車両は軽量化された設計で、側面の窓は上段Hゴム固定の窓と下段の上昇式窓（通称「バス窓」）を取り入れています。外観はリベット止めの外板で、当時のバスの特長を有しています。

車両の特徴

2500形は、前面が3枚窓のデザインで、中央の窓がHゴム固定となっているのが特徴です。車体の前後が絞られた形状は2000形と類似していますが、自重は約3トン軽量化されています。また、初めて前中扉を配置したことも特徴と言えます。台車は改造されたD-10Nを使用し、集電装置は7000形の最終グループ同様にZパンタを採用していました。2500形は改軌後もZパンタを使用し続けました。

製造経歴

2501・2502は1958年に東京都交通局の工場で、2503から2508は1959年に富士重工により製造されました。この6両では、側面の補強リブが廃止され、外板の継目が増えた点が異なります。

運用と廃止

2500形は製造当初、1,067mm軌間の杉並線専用車両として使用されましたが、杉並線の廃止後は1,372mm軌間に改造されました。改造後は荒川営業所にて保管後、27系統（現・荒川線）で運用されましたが、その後は7両が早稲田営業所に移籍し、15系統で使用されました。1968年に早稲田営業所が廃止されたことにより、全車両が廃車の運命をたどりました。

バス車体工法の影響

この2500形電車が登場した時期は、軽量でコストを抑えた鉄道車両の設計が模索され、バスの工法を利用した車両が増加しました。これにより、例えば地方のローカル私鉄向けに開発されたレールバスや、呉市交通局向けの軽量車両など、バス車体工法の影響を受けた多様な車両が登場しました。2500形の設計理念は、以降の鉄道車両にも影響を与え、バス車体工法の普及を促しました。

最後に

東京都交通局2500形電車は、バス車体工法の実用化や路面電車の近代化の先駆けとなった重要な車両です。そのユニークなデザインや運用実績は、今なお鉄道ファンや歴史愛好者にとって興味深い存在です。

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