東京都道317号環状六号線

東京都道317号環状六号線（山手通り）

東京都道317号環状六号線は、東京都品川区から板橋区に至る主要地方道であり、通称「山手通り」として広く知られています。一部区間は「旧山手通り」や「海岸通り」とも呼ばれています。

歴史

山手通りの歴史は、1923年の関東大震災後の復興計画に遡ります。1927年、東京駅を中心とした半径約16キロメートル圏内に環状道路と放射状道路を整備する計画が策定され、その環状道路の一つとして「幹線環状道路第六号其の一」が構想されました。これが山手通りの原型です。当初は渋谷から板橋までの路線でしたが、戦後の復興計画を経て現在のルートが確定しました。一方、戦前計画では足立区から江東区までを結ぶ「幹線環状道路第六号其の二」も存在しましたが、現在は他の路線として整備されています。渋谷区松濤から豊島区要町にかけての区間は、首都高速中央環状線新宿線の整備と合わせて道路拡幅が行われ、歩行者や自転車のための空間も整備されました。また、品川区八潮から目黒区青葉台にかけての区間も、首都高速中央環状線品川線の整備に合わせ、改良されました。

路線状況

山手通りは、ほぼ全線で首都高速中央環状線が並行しています。中央環状線が未開通だった頃は、初台交差点などでの慢性的な渋滞が問題でしたが、新宿線と品川線の開通により渋滞は大幅に緩和されました。しかし、川越街道と交差する熊野町交差点は、2022年の交通事故件数が全国ワースト1とされており、依然として交通安全対策が課題となっています。

支線

山手通りにはいくつかの支線が存在します。代表的なものとして、大崎広小路交差点から新八ツ山橋交差点までの区間（ソニー通り）、渋目陸橋から鎗ヶ崎交差点までの区間（旧山手通り）、鎗ヶ崎交差点から中目黒立体交差交差点までの区間（駒沢通りと重複）などが挙げられます。これらの支線は、山手通りの主要区間とは異なる役割を担っており、地域交通の重要な役割を果たしています。

通称

山手通りの通称は、区間によって異なります。板橋区仲宿から品川区新東海橋までは「山手通り」、新東海橋から天王洲アイルまでは「海岸通り」と呼ばれています。さらに、渋谷区から目黒区にかけての区間は「旧山手通り」と呼ばれ、歴史的な経緯を示しています。

道路施設

山手通り沿いには、渋目陸橋や菅刈陸橋などの重要な道路施設があります。渋目陸橋は渋谷区と目黒区を結ぶ陸橋で、その名称は両区の頭文字から取られています。菅刈陸橋は、地域の歴史的な地名に由来する名称で、原付バイクの通行が禁止されています。

地理

山手通りは、品川区、目黒区、渋谷区、中野区、新宿区、豊島区、板橋区の7区を通過します。多くの主要道路と交差しており、交通の要衝となっています。特に、国道246号（玉川通り）や国道20号（甲州街道）などとの交差部は、交通量が多く複雑な交差点となっています。

交差する道路、重複区間、周辺施設

山手通りは、多くの主要道路と交差しており、また、一部区間では他の道路と重複しています。周辺には、商業施設や住宅地、学校など様々な施設が立地しており、多様な機能を持つ地域となっています。

山手通りを舞台とする楽曲

山手通りは、多くの楽曲の歌詞に登場し、東京の風景を象徴する場所として描かれています。中原理恵の「東京ららばい」、椎名林檎の「罪と罰」、乃木坂46の「環状六号線」、フレンズの「夜明けのメモリー」、GLAYの「Winter Moon Winter Stars」、B'zの「山手通りに風」など、様々なアーティストが山手通りを題材として作品を制作しています。これらの楽曲は、山手通りの風景や雰囲気を伝えるとともに、時代や文化を反映した作品となっています。

まとめ

山手通りは、単なる道路ではなく、東京の歴史、文化、そして人々の生活を反映した、多様な要素を持つ空間です。歴史的な経緯、交通状況、周辺環境、そして文化的な側面など、多角的な視点から山手通りを理解することで、東京という都市の複雑さと魅力をより深く知ることができるでしょう。

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