東光寺 (西宮市)

東光寺（とうこうじ）

東光寺は兵庫県西宮市門戸西町にある、高野山真言宗の別格本山の寺院で、松泰山という山号を持ちます。この寺の本尊は薬師如来であり、「門戸厄神」とも呼ばれ日本三大厄神の一つとして広く知られている存在です。あらゆる災厄を払う力がある厄神明王（門戸厄神）は特に有名であり、厄年の方々が厄払いを受けるために訪れるほか、13歳の子どもが虚空蔵菩薩に祈願する伝統行事「十三詣」も行われています。

歴史

寺の伝承によると、東光寺は828年に開創されました。この年、嵯峨天皇は41歳の厄年を迎え、空海（弘法大師）に厄除けの祈願を依頼しました。その際、嵯峨天皇は愛染明王と不動明王が合体した厄神明王の霊感を受け取ります。空海はその霊感を基に、厄神明王像（両頭愛染明王像）を三体刻み、これを高野山の天野大社、石清水八幡宮、そして東光寺に祀りました。現在、残されているのは東光寺の厄神明王像のみとされています。

その後、毎年1月18日と19日には厄除大祭が行われ、特に多くの屋台が出店し、数万人の参拝者で賑わう光景は圧巻です。また、2月3日には星祭が開催され、地域に根付いた伝統行事となっています。

境内の構造

東光寺の境内には様々な施設があります。

• - 薬師堂：本殿で、本尊の薬師如来を祀っています。
• - 厄神堂：秘仏の厄神明王像が祀られており、寺の中心的な堂です。
• - 大黒堂および愛染堂：それぞれ大黒天と愛染明王を祀っています。
• - 護摩堂：不動明王が祀られ、護摩祈祷が行われている場所です。
• - 大師堂：弘法大師を祀る重要な施設です。

また、境内には他にも中楼門、南門、北門、表門などの門や、四国八十八箇所石仏群、智照院観音堂などが存在し、訪れる人々に深い信仰体験を提供しています。

年中行事

東光寺では年間を通じてさまざまな行事が行われています。主要な行事には次のものがあります：

• - 1月1日：新年祈祷会
• - 1月18・19日：厄除大祭
• - 2月3日：星祭（節分）
• - 4月13日：十三詣
• - 4月19日：春季厄除祭
• - 8月19日：夏季厄除祭
• - 10月19日：秋季厄除祭
• - 11月15日：七五三詣
• - 11月19日：人形供養
• - 12月19日：納厄神（おさめやくじん）

また、毎月19日には厄神明王を讃える厄除例祭が行われ、地域の信仰が継承されています。

交通アクセス

東光寺へのアクセスは、阪急今津線の門戸厄神駅から北西に約700メートル、徒歩で15分ほどです。1月の厄除大祭の期間中には、特別な臨時バスも運行されています。これにより、広い地域から多くの参拝者が便利に訪れることができるようになっています。

東光寺は、厄除けを目的とした訪問者には特に有名な場所であり、のちの世代にもその信仰が受け継がれ続けています。

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